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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
最終話 私たち、彼の理想を守ります。
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「・・・・・・・」
「ラインハルトが死んでしまえば、一つの時代が終わる。そしてそれは私たちの時代の終わりでもあるわけね。そんな気がしているの」
「ティアナ!?」

 前進、積極を旨とする親友からこのような言葉が出てくるとはとフィオーナは驚いた顔をただ親友に向け続けているだけだった。

「もう、充分なのよ」

 春風が吹き渡る中、澄み切った青空に顔をあげた親友の顔も負けないくらいに澄んでいた。

「少なくとも私はもう戦いたいとは思わない」

 腰に下げていた剣をティアナは軽くたたいた。左手の薬指には指輪が光っている。

「この剣もいずれは家の居間に飾ることになるかもしれないわね。そうなったら腰が寂しくなるけれど――」
『いいえ。まだまだよ』

 二人が振り返ると、そこにはイルーナが立っていた。正確にはイルーナの幻影だったかもしれない。なぜならばそばにジェニファー、アレットら今までに戦って死んでいった者たちが立っていたのだから。

「教官!!」
『二人とも、詰めが甘い・・・と言われても仕方がないわ。むしろ私たちが尽力しなくてはならないのはこれからなのだから』
「どういうことですか?」
『ゴールデンバウム王朝、そして自由惑星同盟を一つにし、そしてその過程でゴールデンバウム王朝を象徴君主制として立憲体制に移し替えること。その作業がどれほど大変なことなのか、そして一歩間違えばどれほど動乱を生みやすい危険なパンドラの箱になるのかを、あなたたちはちゃんと理解しているのかしら?』

 二人はばつが悪そうに顔を見合わせた。こういう時には二人は騎士士官学校の候補生時代に逆戻りし、イルーナは二人を指導した指導教官としての顔に戻るのである。

『ラインハルトの事、そして私自身のこと、私はずっと覚悟していたわ。この世界にやってきたときから、いつかはそうなるだろうと思っていたから』
「・・・・・・・・・」
『だからこそ、ラインハルトの残した思いを、私たち・・・・いいえ次の世代の者たちは彼に代わってかなえなくてはならないのよ。それがあなたたちの生まれた意味の一つであり、これからのあなたたちの生き方となるのだから』
「教官・・・・。」
『そして、それは道半ばに倒れた私たちの思いでもあるわ』

 ジェニファーが言った。イルーナがそれにうなずきながら、言葉を続ける。

『転生者としてなぜ私たちがここに来たのか、それをよく考えなさい。自分たちが持っているその知識や力を正しくどこに振り向けるべきか、前世において私があなたたちに教えなかったはずはないわ』
『はい!』

 期せずして二人はしっかりとうなずき合った。ローエングラム王朝から象徴君主制の立憲体制へと移行する、その過程では当然混乱が起こるし、少なからぬ離反・反乱がおこ
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