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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四十二話 違うベクトルを持つ者たち
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るので、二人には大いに助かった。
そのさなか、ヤン・ウェンリーがユリアン・ミンツを伴ってふらりと元帥府にやってきた。完全に私服である。
「やぁ」
『ご無沙汰しています!』
ヤン・ウェンリーを出迎えたカロリーネ皇女殿下とアルフレートは喜んで二人を一室に通した。二人とも帝国軍士官の軍服を着ている。カロリーネ皇女殿下とアルフレートについてはローエングラム陣営は相談の上影武者を立てていた。
とはいえ万が一を考えて、転生者たちはかわるがわる二人の側に付き添っていたので、今日はティアナが側にいる。
「あぁ!来たのね!!ヤン・ウェンリー!!」
ティアナがヤンの顔を見るなり声を上げたので、ヤンはびくりとした。
「どうか一度シミュレーションシステムで私と手合わせしてくれない?もうずっとず〜っと待ちくたびれたわ。あなたに私もフィオも敗北してから散々あなたを倒す策略を試行錯誤していたところなんだから」
「それはやめておきましょう。私としても帝国軍に手痛い損害を受けていますから、互いに恨みが再燃しますよ。それに負けた方はもっと恨むでしょう?」
ティアナが面白そうに笑った。
「はいはい、わかったわ。やめておく。じゃ、後はごゆっくりどうぞ」
そう言ったティアナが一歩奥に引いたので、カロリーネ皇女殿下とアルフレートはヤンとユリアンからその後の話を聞いた。ティアナも時折合いの手を入れて話の幅を広げていった。
ヤンは大将から退役して年金をもらう生活となったが、ラインハルトの招聘で帝国に行くにあたってこの問題をどうするか苦慮した。「帝国に身を売った者」となりたくはない。ヤン自身はどうということはなかったが、周りに迷惑をかける。
そこで、ラインハルトはヤン・ウェンリーを「帝国駐留特命大使随行」とするように働きかけ、同盟から主要な人間を「大使」として帝国に駐留させるように提案。同盟もこれを了承し、帝国同盟双方の人間がそれぞれの首都星に出向くこととなった。
なぜか、グリーンヒル大尉が大使付武官としてやってきたという事を知った二人はこっそり笑いあった。
「では当面こちらにいらっしゃるのですか?」
「あぁ。別にハイネセンにいても仕方がないからね」
「では、お時間あるときにお邪魔しても構いませんか?」
カロリーネ皇女殿下の提案を、ヤンは驚いた顔をして聞いた。
「仕事はいいのかい?」
「今は二人の話を聞くのが仕事なのよ。一人はラインハルト、そしてもう一人はあなたなの」
ティアナが言った。
「そんな大層なことではありません。ですが、その、受けてもらえると助かります。サボっているといわれるのは心外ですし」
カロリーネ皇女殿下の言葉にヤンは微笑んだ。
「私ならサボりは大歓迎だが
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