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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四十二話 違うベクトルを持つ者たち
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が彼の『妹』であること、それが重要なのだから。だから私はこうした。そしてそれを後悔していない)
(私怨で大勢の人を巻き込むな!!シャロンと同じよ!!)
(ええ・・・・全くそうだわ。でも一つ言えることがある。ローエングラム陣営を打倒するというベクトルを持った人間は大勢いたわ。動機はどうであれそのベクトルの中に入りこんでしまう。だからこそこんなにも大勢が私に同調したのよ。そしてそれはあなたたちにも当てはまる。今は大きなベクトルをもって皆同じ方向に進んでいるけれど、ローエングラムのベクトルが具体性を帯びて細分化したとき、あるいは向いた方角が変わった時、それに皆追随できると思う?)
(そんなことは知っているわ。だからこそ私たちはここで敵を全滅させる!!こんな戦いはこれで最後にするわ)
(そうできるかしらね?)

 声なき声が波動を通じて交わされた後、一方が不意に途切れた。

「敵、消滅しました。残存する敵はこの宙域に確認できません」

 オペレーターの無味乾燥な報告が静まり返った艦橋に消えていった。

「くそっ!!」

 ふいに鋭い声が艦橋を切り裂いて消えた。クルーたちが振り向くと、青い長い髪の女性が一人艦橋から足音も荒く出て行くところだった。

* * * * *

 ヴァルハラ星域において敵を完全に殲滅したローエングラム陣営はただちに帝都に降下した。先に帝都に降りて厳戒態勢を敷いていたダイアナ、キルヒアイス、そしてヴァリエ、ケスラーらの手迎えをラインハルトは受けた。

 ラインハルトがカロリーネ皇女殿下とアルフレートを皆に話すと、一様に驚愕したがラインハルトは驚く時間を与えなかった。ただちにノイエ・サンスーシに赴き、カザリン・ケートヘンの退位に着手するように部下たちに指示した。

「ローエングラム公をはじめ、各提督及び家族の警護を徹底して!!」
「最低限転生者一人を護衛につけるように手配してよね」

 ヴァリエがもどかしそうに部下に指示を飛ばす傍らで、アレーナがヴァリエにささやいた。

 なぜなら、一行が車に乗り込もうとした時に襲撃があったのである。出迎えた兵士たちの列から十数人が飛び出してきてラインハルトたちを襲ったが、ヴァリエ、フィオーナ、ティアナによって全員一瞬で斬り捨てられた。
 ケスラーは部下たちに指示して身元を改める一方、各提督たちがラインハルトたちを囲んで周囲を警戒した。

「ひとまずプリンゼシン・カロリーネと卿には私と共に元帥府に来てもらおう。警備が整っている場所はあの場所くらいだからな」

 ラインハルトはいい、カロリーネ皇女殿下、アルフレートは、キルヒアイス、レイン・フェリル、フィオーナと共に一台の車に同乗した。

「ローエングラム公!」

 車が発進するとラインハルトは
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