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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四十二話 違うベクトルを持つ者たち
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アはシャロンを見つめていた――。

* * * * *

(そして私はアリシアとひそかに連絡を取り・・・・彼女をスパイとしてローエングラム陣営に潜り込ませた・・・・・)

 ユリア・フォン・ファーレンハイトは胸の中でつぶやいた。結局のところ、自分はラインハルトの何になったのだろう。排除すべき障害、敵だろうか、それともとるに足らぬ路傍の小石なのだろうか、それとも――。

 ユリアは最後の麾下の艦艇群を指揮して包囲部隊と戦いながらどこか満足を覚えていた。これでいいのだと。もっともそこには少し投げやりな態度も混ざっており、そこに後悔の痛みを伴わないでもなかったが。
 けれど、他方で一つやるべきことがあった。ファーレンハイト家の一員となった以上、当のアーダルベルト・フォン・ファーレンハイトがどう思おうと、妹としてやるべきことだ。

 ユリアは艦長席に座った。そして自ら機器を動かすと、静かに艦を発進させた。それを見た他の艦も追随し始めた。

* * * * *

「包囲網を抜けた艦が、ブリュンヒルトに向けて突っ込んできます!!」
「迎撃せよ!!ローエングラム公の下に近づけさせるな!!」

 ラインハルト本隊の前衛にいたミッターマイヤー艦隊は激しい砲火をこの艦に集中させた。次々と艦は脱落していくが、生き残った艦は突進をやめない。
 先頭の艦が展開するシールドが強力で攻撃を軽減させているのだ。

「まだ最後のあがきをやめないというの!?」

 アレーナが旗艦アールヴァル上でドンと片足を踏んだ。そして麾下艦隊をラインハルト本隊の前に割り込ませ、手中砲撃を浴びせかけた。同時にアールヴァルを敵の真正面に持っていくように指令した。

(ユリア殿下、それほどまでに感情をぶつけたい相手は一体誰!?ラインハルトなの!?)

 アレーナはかぶりを振った。今はそんなことを考えている場合ではない。彼女は叫んだ。

「砲撃用意!!」

 アールヴァルの前面一部が両開きの扉のように左右に開き、中から大口径の砲門が出現した。アールヴァルには隠し玉があった。なにも波動砲を実装しているのはアースグリム級だけではない。
 アールヴァルの波動砲充填に呼応するかのようにアレーナの身体から蒼いオーラが噴出した。砲撃システムはアレーナがひそかに改装した特別仕様となっている。

「波動砲砲撃準備完了しました」
「撃てェッ!!!!!!!!」

 アレーナがカッと眼を見開き叫んだ。彼女のオーラが凝縮された蒼い光を放つ閃光がアールヴァルの砲門から発射された。一直線に宇宙を切り裂き、戦闘の艦のシールドと激しくぶつかり合う。

(ファーレンハイトが生きていたら、一体どう思うか考えなかったのですか!?)
(ファーレンハイトがどう思うかではない、私
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