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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四十一話 裏切者出現
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字通りの殲滅戦だった。

 立ち尽くすユリアを一瞥し、ルビンスキーは低く笑うと、その場を離れた。ルパートはじめ、側近たちがその後に続く。だが、一発の砲撃が艦橋を直撃した。ルビンスキーたちもろとも閃光と火の塊が包み込み、断末魔さえ消し飛ばしてしまった。

「だから言ったのに。逃げるのは早計なのだと」

 ユリアは前を向いたままつぶやいた。

* * * * *

 ローエングラム陣営の猛攻は続く。背後に回ったフィオーナ艦隊と共に圧倒的な勢いをもって攻めたてた。

「これが最後の戦いと思え!そしてだからこそ躊躇するな!!禍根を取り除け!!」

 ラインハルトの指示は苛烈だったが、それを推進剤にして各艦隊は猛威を振るったのである。
 だが、その状況下、また新たな要素が発生した。

「新たな反応あり、新たな反応あり!!」

 ブリュンヒルトのオペレーターたちが一斉に騒ぎ立てる。外周に突如正体不明の艦隊が出現したのだ。
 この宙域のすべての者が注視する。現れたのは敵か味方か――。

『おう!!一縷の望みをかけてワープしたかと思えば、こんなところに出てきたのか!!』

 全身黒色の艦隊は誰しもが見覚えがあった。通信を受けたオペレーターの一人は驚愕の表情で固まる。

「シュ、シュ、シュ――!!」
『なんだ、卿は?汽車の真似でもしているのか!?さっさとローエングラム公におつなぎせよ!!』
「聞こえているぞ」

 ラインハルトは不敵な笑みを浮かべた。

「そうか、ビッテンフェルトめ。迷子になっていたのだろうが、出口を見つけて慌てて駆けつけたな」
『ローエングラム公、決戦の場ではお役に立てず申し訳ありません。ですがここにいらっしゃるということはシャロンめを――』
「よい。話はあとで聞こう。ビッテンフェルト、卿に指令する。そして許可しよう『思う存分暴れるがよい』と」
『御意!!』

 ビッテンフェルトが喜色を浮かべて敬礼をささげる。そして、彼はケーニス・ティーゲルの艦橋で吼えた。

「突撃だ!!戦場に遅れるなど我が艦隊の名折れである!!その分、存分にシュワルツ・ランツェンレイターの真髄を敵共に思い知らしめてやれ!!」

 黒色の艦隊は我先にと敵に餓狼のように襲い掛かった。ラインハルトはカロリーネ皇女殿下を見た。

「私は全然お役に立っていませんが・・・・」
「よい。必要なのはプリンゼシン・カロリーネがこの戦いに参加したという事実だけだ。それさえあれば後世に残す書物に歴史家たちが良きように解釈を加えてくれるだろう」
「事実の上書きという事ですか?」

 アルフレートが尋ねた。

「無用な物であれば一顧だにしないが、今回はこれが必要である。卿等がゴールデンバウム王朝を統治するにあたっての
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