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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百四十話 帝都オーディンへの帰還
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『それも手配済みです』

 なお、2,3の事項を打ち合わせてアレーナは通信を切った。そして背後を振り返った。鮮血にまみれたアリシアが斃れている。ラインハルトの護衛隊長として彼女は常日頃側に立っていた。打ち合わせの時もだ。空気のように振る舞っていたからこそ、アレーナもイルーナも見落としていたのである。
 アリシアは、何かが抜け落ちた様に穏やかに目を閉じていた。

「ファーレンハイトが戦死した・・・それ以前に彼が自由惑星同盟に行ってしまったこと、もっとそれ以前にあなたたちの名前がファーレンハイトであったことが因縁を結んだのね」

 アレーナは彼女の両手を胸の前で組み合わせると、すぐに通信室を出て行った。

 * * * * *

 緊急招集された転生者たちは愕然とした顔を見合わせた。

「アリシアが!?」
「ユリア殿下が?!」

 この声はあちらこちらから聞こえてきたが、ティアナは我慢ならないように叫んだ。

「もう許せない!!先陣は私がやるわ。ユリアもろともいけすかない残党を全部ブチ殺してやる!!」
「私も、やるわよ」

 エレインが静かに、だが闘志を秘めた眼でアレーナを見た。アレーナは二人にかすかにウナうなずいただけで何も言わなかった。代わりに、

「フィオーナ」
「はい」
「あなたはシアーナ、ティルジットと共に麾下の艦隊を率いて帝都に急行し、ヴァリエと共に治安維持に当たってくれる?ラインハルトの承認を得てからね」
「はい、すぐに向かいます」
「他の皆は正々堂々隊列を組んで、慌てず、ゆっくりと帝都に帰還する。何も急ぐ必要はないのよ」

 ここまで言ってからアレーナは不敵な笑みを浮かべた。

「奴らを散々焦らしてから思う存分殲滅してやりましょう。やるわよ」

 この「やるわよ」を聞いた一同は数人を除き身震いした。アレーナが本気になったのだ。
 アレーナはフィオーナ、そしてダイアナを伴い、ラインハルトとキルヒアイスに会うと、すぐに打ち合わせを行った。
 ラインハルトとキルヒアイスは当初驚きの色を浮かべたが、すぐにラインハルトは闘志の色をアイスブルーの瞳に浮かべた。

「アレーナ姉上、よくつかんでくださいました。キルヒアイス、やるぞ」
「はい、ラインハルト様」
「だが・・・・敵はわずか3万余という。対する我が軍の遠征帰還軍は12万を超える。それにどのように挑むつもりなのか」

 ラインハルトの疑問に転生者たちは顔を見合わせた。

「最後のあがき、では説明つかない?」
「もちろんその可能性はありますが、楽観的だと思います」

 キルヒアイスが言った。ラインハルトは赤毛の相棒に尋ねた。

「お前、どう思うか?」
「可能性があるとすれば・・・・足止めでしょうか」
「俺
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