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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十九話 あらたな一歩を踏み出すために
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「よし」
ラインハルトはうなずいた。その一言で場の雰囲気が和らいだ。
互いが文字通り命を懸けてそれぞれの「主義」のために戦った物語の幕が下りようとしている。それは同時に新たなる体制に移行するための序曲だったのである。
ラインハルトは一座に視線を移し、その中の一人に目を止めた。
「ヤン・ウェンリー」
ラインハルトはテーブルに座るヤンに話しかけた。
ヤン・ウェンリーは「敗者」の位置にいるが、ラインハルトをはじめとして誰一人として彼が負けたのだとは思っていなかった。そのヤン・ウェンリーはラインハルトから発せられようとする言葉をじっと待っていたのだった。
「卿は不安そうだな」
「長年自由惑星同盟におり、帝国と戦いをしてきた自由惑星同盟を見てきた身としては当然の不安だと思います」
「今バウムガルデンの息子が話したこと、卿はどう思うか?」
「終着点としては良いと思いますが、そこに至る過程の道が重要だと思います。私自身が批判する立場にないことは承知していますが」
「では、少し手の内を明かすとしようか、いや、その前に一つプリンゼシン・カロリーネ、あなたに尋ねたい」
ラインハルトの瞳は今度はカロリーネ皇女殿下に向けられた。
「帝室の血は守られるべきものか?」
「いいえ、守られるべきものではありません。人々の最大多数の最大幸福が第一です。しかし、利用はできます」
ラインハルトは満足そうにうなずいた。
「私の腹積もりを言おう。そしてそれを私は成すと誓約しよう。・・・・現在カザリン・ケートヘンが帝位についているが、これを順序として正当な継承者カロリーネ・フォン・ゴールデンバウムに挿げ替える。さらに、今後ゴールデンバウム王朝の帝室は象徴的存在となり、国事に関する一切の決定権を放棄する。私も含め王朝に連なる重臣たちもだ。帝国の運営は、以後立憲体制、すなわち議会によって決定されるべき体制に移行する。なお、議会についてはすべて選挙区から民衆自身が選抜する議員によって構成されるものとする」
初めてヤンの顔に感情の色がうかんだ。だからこそラインハルトは第三者を立ち会わせたのだ。
「すると・・・閣下は帝国をいずれ共和制・・・いや、象徴君主の下の立憲体制にすると、そうお考えですか?」
ヤンがゆっくりと確かめるように言葉を発した。
「そうだ。だが今ではない。帝国・・・いや、今の体制が最大多数の幸福につながるような恒久的体制の基礎を余が制定し、そのうえで後世に託すのだ」
「つまり、いい土をつくるが、そこにどのような作物を植えるかは、後の者にお任せになると?」
ラインハルトはかすかに、だが断固たる意志を秘めたアイスブルーの瞳を原作の好敵手に向けながらうなずいたのである。
「それで、よ
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