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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十九話 あらたな一歩を踏み出すために
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卿は偽物か?」
「違います。その、私は転生者です。器はそうかもしれませんが、中身はその資格はないので――」
「キルヒアイス、こいつらを下がらせろ!」
ラインハルトは怒気を浮かべてキルヒアイスに指令した。アルフレートはラインハルトの認識を改めた。やはり彼にはまだ覇気がある。
「ラインハルト様、それは――」
「俺はこのような卑屈な人間と対面するためにわざわざ席を設け、時間を作ってやったというのか、腹立たしい!」
「待ってください」
アルフレートは我知らず進み出た。ラインハルトはアルフレートに視線を向けた。
「卿はバウムガルデン家の息子だったな、何だ?」
「私たちの前世の癖です。どうしても謙譲という名の卑屈さをまず出してしまいます。ですがそんなものは無用であると気づきました」
「ほう?」
「単刀直入に申し上げます」
アルフレートは総身が震え、今にも気おされそうだったが、ラインハルトを正面から見つめた。言うべきことを言わなくてはならない。そのためにここまで生きてきたのだ。
ラインハルトからの面会の話があった時、アルフレートとカロリーネ皇女殿下は長い間二人だけで話し合った。何度も話し合って出した結論、それをぶつけなくてはならない。
「自由惑星同盟と帝国、双方が一つになることは不可能です」
「では干戈を交えることこそ卿の希望というわけか?」
「いいえ、そうではありません。現体制において一つになることは不可能です。ですから――」
アルフレートは息を吸って、一息に話した。ラインハルトの瞳を正面から見つめた。
「まずは和平を、しかる後に帝国の改革を、最後に双方の併合を、これを提案します」
ラインハルトはじっとアルフレートを見た。そして次の瞬間大笑いしていた。
「ハハハハハ!!聞いたかキルヒアイス。俺とそう年も違わぬ若造が大層な大事を並べ立ておったわ」
「はい、ラインハルト様」
あっけにとられているアルフレートとカロリーネ皇女殿下をしりめに大笑いするラインハルトをキルヒアイスは穏やかに見つめていた。
「ラインハルト様は感心されたのです、決してあなた方を軽んじているわけではありません」
アルフレートはラインハルトが笑い止むのを見て取って「恐れながら」と話し出そうとしたが、ラインハルトに遮られた。
「具体策はよい。大体の方針が聞ければそれでよい。一つだけ聞こう」
ラインハルトは笑い止んでアルフレートを見た。アイスブルーの瞳が容赦なく鋭いきらめきを発した。
「これは卿の発案か?」
「いいえ、カロリーネ皇女殿下、そして私たちが今までに出会った多くの人たちのおかげです」
ラインハルトはカロリーネ皇女殿下を、そして背後にいるヤンたちを見た。
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