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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十九話 あらたな一歩を踏み出すために
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が、自分であると思っていたのに――。

「はい、ラインハルト様」
「お前、これからどうすればいいと思う?正確に言えば、銀河帝国と自由惑星同盟はどうあるべきか?」
「・・・・・・・・」
「もとの血みどろの戦いを続けるか?双方どちらかが斃れるまでな。それとも共存共栄を望むか?」

 キルヒアイスはラインハルトを見つめた。彼のアイスブルーの瞳にはどこか面白がっている様子の光が見られた。

「この問題はなかなか複雑だな。双方の民の感情を無視することはできぬ。覚えているか?いや、キルヒアイスはその場にいなかったな、かつて俺が一介の大将だったころ、自由惑星同盟と和平交渉の一員として彼奴等の惑星の一つ、イオン・ファゼガスを尋ねたことがあった」

* * * * *

「自由惑星同盟の方々にとっては、我々は『専制政治の権化であり民衆を搾取する者』というフィルターがかかっている存在だという事を、そして我々銀河帝国にとっては自由惑星同盟の方々は『アーレ・ハイネセンという一奴隷によって逃げ出した奴隷集団の子孫、反乱軍』というフィルターがかかっている存在だという事を、まず理解されるべきでしょう」
「お互いそれぞれのフィルター越しに見られているという事ですか、おっしゃる通りですな、つまりは、互いが歩み寄るためには、まずそのフィルターを取る努力をしなくてはならない、という事ですか」

 最高評議会議長の言葉に、ラインハルトは言葉を続けて、

「フィルターそのものがすべてまがい物である、と私は申し上げてはおりません。一部ではそれはれっきとした事実です。ですが、事実をそのまま受け入れることと、事実を誇大曲解して受け入れること、この両者には大きな差がある、という事だけ申し上げておきます。これを解くには短時間での話し合いでは功を奏しないでしょう」

 ピエール・サン・トゥルーデはうなずきを示した。

「あなたはどうやらこの交渉事の根底にある重要なファクターをよくご存じのようだ。その通りです。異なる文化を持つ者同士が初対面で分かり合えることなど、奇跡に近い事だ。そのようなことが常態化するのは物語の中だけの話です。同じ共同体の中でさえ十人十色の考え方や価値観があるというのですからな」

* * * * *

「――そう、俺は彼奴と話したことがあった」

 ラインハルトは和平交渉の様子をキルヒアイスに改めて語って聞かせた。

「つまりは、自由惑星同盟と帝国とが速やかに恒久的和平を結ぶことは無理があると?」
「そうだ。だが、かといって戦いを再開するのではこれまでの好機がすべて無駄になる」
「好機、ですか?」
「シャロン、彼奴の存在は看過できぬものだったが、考えてみれば彼奴は常人では思いもよらぬ方法で大手術を行って見せた。自由惑星同盟と帝
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