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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十八話 銀河帝国・自由惑星同盟連合軍vs新生・自由惑星同盟―第四次ティアマト会戦 その2
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それは、ティファニーの眼にも映っていた。ティファニーは静かに目を閉じた。

(成すべきことを、やっと心のままに成せる。これで、私は――)
「馬鹿な!!!こんなこと、あり得ない!!通常艦艇からの砲撃が、何故、これほどまでに、増幅され――!!」

 アンジェ、そしてティファニーの旗艦もろとも増幅された砲撃の奔流が襲い掛かり、その中に叩き沈めていった。

* * * * *

 ラインハルト直属艦隊が最後の賭けに出ていた。
 賭けというのはラインハルトらしくないだろう。だが、一世一代の大勝負という言葉ではあまりにも陳腐な表現と言えるほどの状況下に彼はいた。
 目の前には巨大要塞、そして10万を優に超える敵軍。

「エネルギーはどの程度だ!?」

 ラインハルトはクルーたちに尋ねた。

「主砲斉射10連は可能です!」
「最後の賭けだ・・・・全エネルギーを砲門に充填し、ヘルヴォールからのローレライの旋律発射との同調はどうだ?」
「調整完了しています!」
「まだ誤差がある!こちらと敵との距離を考慮せよ!!タイミングマイナス0,2修正同調させろ!!」
「はっ!!」
「ヘルヴォールからの砲撃まで戦線を持ちこたえさせろ!!」

 ラインハルトは主力戦艦群の主砲を一点集中させ、その余の艦艇はすべて防御陣形を構築させ、発射のタイミングを待っていた。
 目標は、敵機動要塞の一点。現実的には艦砲射撃程度でどうにかなるものではないが、ラインハルトはフィオーナのローレライの歌声に賭けた。
 人知を超えたものに賭けをするなどと他人が聞けば、それこそ笑い飛ばすだろうが、ラインハルトは確信していた。
 ローレライの歌こそがこの戦局を打開する唯一の策なのだと。


* * * * *

『アンジェが戦死しました!ティファニーが艦もろともにアンジェを道連れにしましたわ』

 カトレーナからの報告にシャロンは顔色一つ変えなかった。

「アンジェの中央集団と左翼艦隊をあなたが指揮しなさい。カトレーナ。いいえ、指揮をするのではないわ。全軍突撃。あらん限りの武装を稼働させつつ、体当たりを行わせなさい」
『承知いたしました。しかし・・・・それでは戦線が維持できません』
「維持するしないの問題ではないわ。私だけが生き残ればそれでいいのだから。そしていかなる敵も私に止めを刺すことはできないわ」

 ローレライの歌で自由を奪われつつあるとはいえ、シャロンは健在だった。微笑を浮かべつつ、カトレーナを見下ろしている。
 そして、シャロンの中では、既にアンジェはおろか、カトレーナさえも見捨てつつあった。
 それはカトレーナにもわかったに違いない。何故なら衝撃で瞳が見開かれたのがディスプレイ越しに見えたからだ。

『承知いたしましたわ
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