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第百三十八話 銀河帝国・自由惑星同盟連合軍vs新生・自由惑星同盟―第四次ティアマト会戦 その1
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望を植え付けたと思ったのに、性懲りもなくまでやってくるとはね」

 シャロンは微笑を浮かべた。こちらとあちらの戦力は既に比較するのも愚かしい。先の戦いで損害を被りはしたが、その傷は癒え、先の陣容を凌ぐほどの戦力を集中したのだ。

「人間追い詰められると、もはやプライドでしか戦えなくなるのかしら。それともプライドですらないただの意地?」
『そのようですね。閣下、もはや手を抜いてやる必要もないのでは?やせ細っていく敵を相手にしても一向に面白くはないでしょう』

 ディスプレイ越しにアンジェが進言した。

「フ・・・・、もっと弄んでやろうかと思ったけれど、気が変わったわ。ただし、最後のとどめは私がさす。その前にどの程度持ちこたえられるかは試してもいいかしら?」
『御意のままに』

 アンジェは頭を下げ、通信は切れた。

「では、残り少ない時間をせいぜい楽しませて頂戴」

シャロンが麾下の艦隊に指令を下そうとしたその時だ。

「・・・・・・・?」

シャロンの顔から微笑が消え、ついで鋭い目に変わった。彼女の眼ははるか先に展開する帝国軍艦隊の動きを読み取っていた。

「敵の艦から波動を感じる・・・・・」

シャロンはヘルヴォールと周辺の艦隊に青い光が沸き起こるのをシャロンは見た。

「これは―――!!」
『閣下!!』

 再びアンジェの姿がディスプレイ上に映し出された。冷徹な彼女の表情にこれほどまでに焦りの色がうかんでいるのをシャロンは初めて見た。

『これは『歌』です!!『ローレライの歌』が最大出力でこの宙域に展開され始めています!!』
「――!!」

 シャロンの表情が凍り付く。周りの信奉者たちは、その表情を初めて見たが、さほど重大なものと考えていなかった。すぐにその不屈の微笑を取り戻すだろう、と。すぐに敵に対して殲滅戦を繰り広げるだろう、と。

 だが、シャロンの表情はしばらく固まったままだった。

「く・・・・!!」

 ようやく絞り出すように声を出したシャロンの表情に微笑は灯ることはなかった。

『閣下・・・!!洗脳が・・・・このままでは――』
「わかっているわ!」

 シャロンの両腕が広げられる。

「・・・・ここにきて『歌い手』を投入してくるとは・・・!!その策をまさか・・・この世界でやられるなんて・・・・!!うっ・・・!!」

 シャロンは胸を抑えた。前世で味わったあのすさまじいばかりの重さ、海面から一気に海溝に引きずり込まれるような急速な重さが彼女の全身を襲っている。

「私のオーラを封じようと・・・・」

 シャロンは片膝をつきそうになるのを強靭な意志の力で耐えた。何人たりとも、たとえ神でさえも彼女に膝をつかせることはできない。

『閣下!
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