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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十七話 作戦準備
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員だったので、アレーナたちは彼の存在を見逃していた。

「考えたくはないけれど、私たちの中に内通者がいるんじゃない?」

 ヴァリエの顔が信じられないというように引きつった。

「それ以外に考えられないのよ。だって、あの強襲作戦、ローエングラム陣営の主だった提督にすら伝えていない極秘事項なのよ」
『では、一体誰が――』

 そこまで言いかけたヴァリエがはっとした眼をした。

『まさかと思いますけれど、この事象についてもシャロンと繋がっているとお考えですか?』
「そう考える方が筋があっていると思う。たとえ、転生者であったとしても、ヴァリエ、油断は禁物よ。自分以外の者がすべて敵であるかのようにもう一度洗いなおして」
『・・・それは、あなたに対しても、ですか?閣下』

 アレーナは屈託無げな表情から一転、闘志を秘めた冷笑を浮かべた。

「そうよ。そのつもりで調べ上げなさい、ヴァリエ」
『主席聖将のこと、無念です。その復讐の対象の一端が、私たちの中にいるという事は考えるだけで吐き気がしますが、もしそうなった場合、私が真っ先にその者を討ち取ることを明言させてください』

 そう言うと、ヴァリエは通信を切った。
帝国暦488年9月23日0900――。

 ラインハルトはブリュンヒルトに搭乗し、彼の席の前に立った。背後にはキルヒアイス、幕僚総監としてレイン・フェリル、特別幕僚ヒルダ、そして副官のリュッケらが立つ。
 キルヒアイスはその後別艦隊を率いることになっていたが、この時はラインハルトのそばにいたいと願い、ラインハルトもまたそれを欲していたのである。

「戦いに先立って、卿等に告げておきたいことがある。通信はどうか?」
「準備完了しています」

 ベルトラム艦長の指示で、部下の一人がラインハルトに通信機を渡す。

「戦いはなおこれからである!!」

 ラインハルトの朗々とした声が全宙域に放たれた。

「過日我々は、自由惑星同盟に敗北し、多くの僚友を失った。これはひとえに敵の実力を顧みなかった私の責任である。しかし!!」

 ラインハルトのアイスブルーの瞳が艦橋を睨み渡した。そこに全将兵が佇立しているかのように。そして、一隅のディスプレイには、ヤン・ウェンリーが映っていた。

「我々は新しき友を得た。此度の戦いにおいては、もはや自由惑星同盟も帝国もない。我々が挑むのは人類の敵、すなわち我々を滅ぼさんとする敵に対しての生存をかけた戦いとなる。思想、信条、門地、そのような違いなど、存亡の前には些細なものである。今日、我々は敵を撃ち、新たなる出立をすることとなろう!!」

 ラインハルトの言葉は、数秒後、万雷の叫びとなって返ってきた。

『ジーク・アトミラール・ラインハルト!!ジーク・アトミ
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