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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十七話 作戦準備
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「はい、とても」
「お前に心配されるようでは彼奴に勝つことはできぬであろうな」

 ラインハルトは寝間着に着かえ、ベッドに入ると、上半身を起こし、エミール少年の持ってきた紅茶に口を付けた。

「心配は無用だ。今夜はお前の助言を聞き入れて休むことにしよう。お前も下がって休むがいい」

 ラインハルトはエミール少年を見た。彼は眼を細めた。不安そうな瞳を認めたのだ。

「そんな顔をするな、大丈夫だ。最後に勝つのはこの私だ。彼奴がどのような存在であろうと我が軍はそれに対する策を講じるだけだ」
「はい、閣下。心からご武運を。そして閣下の御身に勝利があらんことをお祈り申し上げます」
「いや、エミール。それでは依怙贔屓というものだ。私だけではない。此度の作戦に参加する全員、いや、彼奴に抗する人類すべての上に勝利があらんことを願ってくれ」
「はい」

 ラインハルトがうなずくと、エミール少年は一礼して茶器を片付けて退出した。ラインハルトはベッドに横たわった。少し熱があることを彼は自覚していた。これまで駆け抜けてきた中で初めてだった。

(考えてみると、そう、熱が出たのは少年時代の頃だったか、姉上が買い物で不在で、イルーナ姉上に看病してもらったかな)

 ラインハルトはそんなことを思いながら眼を閉じた。


* * * * *

 激務の合間を縫って、アレーナは帝都の留守を守っているヴァリエから報告を受けていた。後方における危機排除はもともとアレーナの所管であり、幾重にも手をうっているが、それでも不安が残っていた。

『・・・・以上が報告です。現在までのところ、ゼークト、ブリュッヘル、シュターデン以下の残存部隊の発見はできていません』
「正確に言えば、一度はその尻尾をつかんだのよね」
『はい』

 ヴァリエはディスプレイ越しで悔しそうな顔をしながら言った。一度、というのはフィオーナがブラウンシュヴァイク公爵討伐を終えた時期のやや後になる。ゼークト、ブリュッヘル、シュターデン一派が、ティディス伯爵領内に潜伏していることを知ったヴァリエは、ダイアナ・フォン・アーガイルと相談協議して演習中だった彼女の麾下の艦隊を派遣して強襲した。もちろんラインハルト、イルーナに相談し、許可を取った上での事である。
 極秘裏に事を進めた電撃的な作戦だったが、どうしたことかシュターデン、ブリュッヘル、ゼークトは姿を消していた。かろうじてフォーゲル、エルラッハ両名の艦隊を捕捉、撃滅することに成功したが、彼らはことごとく爆沈してしまったので、詳細を聞き出そうにもできなかった。
ティディス伯爵が旧リッテンハイム侯爵派閥の残党であることが判明したのは、つい最近である。彼はリッテンハイム、ブラウンシュヴァイク両派閥にも加わっていない数少ない貴族家の一
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