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第百三十七話 作戦準備
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すぐに、とは言わないけれど、でも、できるなら――」
「わかりました」

 アレーナはフィオーナを見た。

「私、やります」
「フィオーナ」
「私こそ、ごめんなさい。アレーナさんがその覚悟なら、私も同じです。今泣いたってどうにもならない。だったら、全て終わらせてから泣きたいです」

 アレーナはフィオーナの手を両手で握りしめた。

「ありがとう、フィオーナ。本当に・・・・ありがとう」

 アレーナが出て言った後、フィオーナは一人、部屋の外の漆黒の宇宙を眺めた。遥か彼方に光るサファイア色の星系に思いをはせて。

「・・・・教官見ていてください」

 フィオーナはイルーナに語り掛けた。彼女は知っている。ローレライの歌は強大な精神力と気力を求められるものだ。まして相手がシャロンである以上、こちらも死ぬ覚悟で歌わなくてはならない。

 けれど――。

「私、必ず、歌いきって見せます。あなたに教わった旋律を、私は心を込めて歌います」

 決意を秘めた声とオーラが部屋の中に満ちた。

* * * * *
準備は進められている――。

 ヘルヴォールをカスタマイズするなんて、とヴェラ・ニール艦長が生きていればぼやいただろうが、最大エコーをフィオーナの歌声そのままに発信するために、艦の全機能をシールド効率強化と歌声のクリアな放射を行うべく、改装が行われていた。

 合わせて歌声を中継し、増幅して発信するための特務艦がいくつも建造され、合わせて再編した各艦隊に付属されることとなった。

 歌い手集めを任されることとなったフィオーナは、各艦隊を回って歌い手をテストすることに追われた。彼女の発するオーラとリンクすることができる人間を集めるのは並大抵のことではない。単に歌が上手いという事では駄目なのだ。波動をリンクさせ、それを増幅して相手にぶつけなければ、意味をなさないのである。

 何人集めるのか、という問いを受けた時、フィオーナは難しい顔で考えていたが、

「百人・・・・」
「ひゃく、ですか?!」

 サビーネは眼を見開いた。歌い手が多く必要なのは分かったが、提督と同じ「オーラ」とやらを発する人間を百人も集めるなど、できるのだろうか。
 しかも、先の大敗北のせいで将兵の数が決定的に不足しているというこの状況下で。現在のローエングラム陣営においては、もはや自由惑星同盟のシャロンに対してまともに挑むだけの戦力も残っていない。ダイアナ・シャティヨン・シルヴィナ・アーガイル上級大将の10万余隻の増援を得たといっても、自由惑星同盟に存在する艦艇はおよそ数十万隻。勝負にもならない。
 数で劣る帝国軍側としては奇策をもってシャロンを打ち破らなくてはならなかった。それが「ローレライの歌」なのである。

「やって
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