暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第244話「譲れない想い」
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れでも、自身の名前を認識した事に一縷の望みを賭けた。

「そうだ!お前のマスター……いや、お前がデバイスとしてではなく、人として“愛した”マスター……王牙帝だ!」

「愛、して……愛……?エラー、エラー……不明な思考が……否、上書きされたはずのデータ……“想い”を算出……サルベージ……しま、す……」

 よろよろと、エアは帝へと倒れ込む。
 抱き留めた帝は、自身を見つめるエアを見返す。

「……ありがとうございます。マスター……」

 ……そして、エアは最後にそう言って目を閉じた。
 人型の形態から、待機状態へと戻り、帝の手に収まった。

「………エア」

 再び呼びかけるも、うんともすんとも言わない。
 機能停止しているだけか、完全に壊れてしまったのかはわからない。

「……俺の方こそ、今までありがとう」

 それでも、最後にエアは戻って来たのだと、帝は確信していた。














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