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おっちょこちょいのかよちゃん
50 清水の夜の花火
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だ」
「そうなんですか・・・」
「まあ、清水(ここ)に来てからはそんな事を平気で人前でする事は減ったよ。俺はこれで失礼するよ。君のピアノ、応援してるよ」
「あ、ありがとう。さよなら・・・」
 かよ子は三河口についていった。
「かよちゃん、今日は何か遊ぶ予定あるかい?」
「あ、うん、夜にりえちゃんや杉山君達と花火やるんだ」
「そっか。買ってあげるよ」
「あ、ありがとう!」

 その後とかよ子は皆と今夜花火で遊ぶ事を電話で伝えた。いつものメンバーは教会の付近にある空き地に集まった。皆は花火で遊ぶ。藤木は花火をしながらりえに見惚れていた。
(りえちゃんと花火するなんて最高の夜だな・・・)
 藤木はそう思っていた。
「ねえ、りえちゃんって普段友達と何して遊んでるのお?」
 まる子が質問する。
「皆とそんなに変わらないよ。缶蹴りとか鬼ごっことか・・・。でも、こうして花火をする事はないかな」
「どうして?」
 たまえが聞く。
「皆、電車で少し離れた所に住んでるの」
「って事はりえちゃんは電車で小学校に通ってるの!?」
 かよ子は驚いた。
「そうよ」
「羨ましいねえ〜」
「別に羨ましくなんかないわよ。朝なんて凄く混んでて大変よ」
「そっか、東京は人がいっぱいいるもんね。偶然モモエちゃんに会えるなんてことは?」
 たまえは聞いてみた。
「別に東京に住んでるからって、テレビに出てる人に簡単に合えるわけじゃないわ」
「でも、東京っていっつもパーティーしてたり、高級な料理食べてるイメージがあるよね〜」
「・・・残念ながら、私は普通の小学生よ」
 その時、大野が呼び掛ける。
「おうい、皆、打ち上げ花火やるぞ!」
「おお〜」
 打ち上げ花火の準備を行う杉山が導火線に点火して、皆は離れた。しかし、何も起こらない。
「あれ、花火上がんないね?」
「不発だったのかな?」
「誰か様子見て来いよ」
「んじゃ、藤木、アンタ行ってきなよ」
「ええ〜、僕がかい!!?」
 藤木は自分に振られて驚いた。
「『僕が命を懸けてりえちゃんを守って見せる!』って言ってたじゃん」
「・・・、で、でも」
「私が行くわよ」
 りえが名乗りを上げた。
「だ、ダメだよ、危ないよ」
 かよ子は止めようとする。
「大丈夫よ。杉山君、マッチの火をこの杯に入れて」
「え?ああ・・・」
 杉山はりえが取り出した杯にマッチの火を入れた。その時、杯からトカゲのような生物が出てきた。
「ひえええ〜、食べられるう〜」
 藤木は大袈裟に驚いた。
「違うわよ、これは炎の精霊よ。あの花火をつけてくれるかしら?」
「よかろう、楽しき花火をな」
 炎の精霊は打ち上げ花火のところに行き、改めて導火線に点火し、杯の中へと消えた。そして今度はちゃんと花
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