50 清水の夜の花火
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った平和を司る異世界の人間と多くの味方がいる。日本赤軍に対抗する為の勢力を広げれば決して無力ではない。かよ子はそう信じた。
翌日、かよ子は三河口と共に教会へ向かった。
「へえ、そのりえちゃんってのはピアノが上手なんだ」
「うん、今『亜麻色の髪の乙女』って曲を練習してるんだって。将来の夢はピアニストって言ってたよ」
「うん、そのくらいから練習を続けていたら、きっとなれるよ」
「そうだよね。ところで・・・」
「ん?」
「長山君って学校の友達から聞いたんだけど、私の『杖』や名古屋のお姉さんの『護符』、それからりえちゃんの『杯』に、広島にあった『剣』が異世界の中で影響力の大きい道具なんだって。でも、その剣が赤軍に盗られちゃったって長山君が言ってたんだ」
「え?!まずいな、取り返さんとな。でも、まだ、そこまで戦いは激しくはなってないから、そのタイミングも先になるね。イマヌエルは札幌の従姉の前にも現れて赤軍や異世界の敵と戦いになるかもしれないと呼びかけていたんだ」
「そうかあ、イマヌエルさんも大変だね」
教会に到着した。ピアノの弾く音が聞こえる。りえは既にピアノの練習を始めていると察した。
「なかなかよく弾けてるな」
三河口には音色を聴くだけで分かった。
「うん」
ピアノの音が止まった。かよ子はそのタイミングを計らって礼拝堂のドアを開けた。
「りえちゃん、おはよう」
「あ、かよちゃん、おはようっ!」
かよ子は同行している高校生の男子を紹介する。
「りえちゃん、この人は私の家の隣に住んでる人だよ」
「初めまして、俺は三河口健っていうんだ。君が異世界の杯を持っている、安藤りえちゃんだね?」
「は、はい」
りえはシスター以外の年上の人が現れた為か畏まった。
「俺の従姉も異世界の『護符』を持っていて、君の杯やかよちゃんの杖と同じくらいの実力を持っているんだ。俺は特に異世界の道具は持っていないが、凡人と違うものを持ってるんだ。昨日清水に帰る途中、平和を司る異世界の人間に出会って東京にいる『敵』を追い払ってくれと頼まれたんだ。その時は俺の恐ろしい能力で追払ったんだが、恐らく東京にいたそいつらの狙いは君の杯じゃないかと思うんだ」
「そうだったんですかっ!?」
「うん、君の家族とかよちゃんの家族が同盟を結んだ事は正解だと思うよ。俺も協力するよ」
「は、はい、ありがとうございます。あの・・・」
「ん?」
「貴方が持ってる能力ってのは何ですか?」
「そうだな・・・、何ていうか自分に危害を加えそうな奴とか敵とかが近づくと胸騒ぎがするとか、相手をすぐに威圧させたりとか、何の攻撃も効かずにこっちからは相手を吹き飛ばしたりとかの災難を降りかける能力だな。それで実家を追い出されて親戚のおばさんの家に居候してるん
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