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おっちょこちょいのかよちゃん
50 清水の夜の花火
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 三河口は家に入ると、奈美子と利治に土産を渡した後、あり達が異世界の人間に会っていた事を伝えた。
「そうだったんね、それだけ準備を進めてるんだね」
「はい、それで、俺も東京で『(やつら)』がいるって聞いたんで寄り道して懲らしめてきました」
「そうか、それは大変だったね」
「他の人には危害は加えんかった?」
「はい、ていうか、住民達がそいつらに怒って袋叩きにしてました。あとは俺の能力(ちから)で遠くに吹き飛ばしましたよ」
「ふうん、よくやったね」
「そういえば、さっきかよちゃんに会った時、東京の子が遊びに来てるって聞いたんですが、ご存知でしたか?」
「うん、まき子ちゃんから聞いたよ」
「杖や護符と同等の道具である『杯』を持っているとか。俺が東京で退治した相手はその『杯』を狙っていたのかもしれないって思うんです」
「そうか、確かに間違ってないかもね」

 かよ子は食事を終えると、丁度電話が掛かってきた。
「はい、山田です」
『もしもし、長山ですが』
「な、長山君!?どうしたの!?」
『実は昨日、御穂津姫にあって来たんだ。僕の予測した通り、平和を司る世界にはその平和を維持する為の強力な能力(ちから)を持つアイテムが四つあるんだ。君の杖や名古屋のお姉さんの護符、そしてその東京からの女の子が持ってる杯、そして剣があるんだ』
「そっか、長山君の言ってる事は合っていたんだね。剣は何処の人が持ってるの?」
『それが・・・、剣は・・・』
 長山はこの続きを伝えるのに抵抗感を感じてしまった。
『広島にあるんだけど・・・』
「広島に?」
『日本赤軍に盗られたって聞いたんだ・・・!!』
 かよ子は一瞬凍りついた。そして、我に返る。
「・・・えええ!?」
『だから、君の杖や、あのお姉さんの護符、そしてその東京の子の杯は何としても守り抜かないと駄目だよ』
「うん、分かった。ぜ、絶対に、あの杖は渡さない・・・!!」
『うん、じゃあね』
 かよ子は電話を切ると共に、体が震えあがるのを感じた。
「かよ子、どうしたの?」
「お母さん、今、長山君から聞いたんだけど、この杖や名古屋にいるお姉さんの護符、りえちゃんの杯と同じくらいの能力(ちから)がある剣が広島にあったんだけど、日本赤軍に取られちゃったんだって・・・!!」
「ええ!?かよ子、これからもっと戦いは厳しくなるかもしれないわ。でも、大丈夫よ」
「どうして?」
「かよ子の仲間は沢山いるんだから」
「お母さん・・・。うん・・・」
 かよ子は思い出した。そうだった。自分は一人じゃない。両親、まる子やたまえ、杉山や大野、とし子、長山、そしてブー太郎などといった学校の友達、隣の家の人、そしてこの杖があるからこそ隣町の学校の子や東京の子、そしてフローレンスやイマヌエル、森の石松とい
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