暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga4-B届け!〜All for One〜
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アインハルトさんは前屈みになってフラついた。ルシルさんは間髪入れずにアインハルトさんのあごを掌底で打ち上げて、体が宙に浮いたところで連続ボディブロー。そして最後は後ろ回し蹴りでアインハルトさんを蹴っ飛ばした。
「ルシルさん!もうこれ以上は・・・!」
「立て、アインハルト。まだライフは半分も減っていないはずだ。右手には治癒術式を付加している。ダメージを与えた分、それ以上に回復した。守るのだろう? 助けるのだろう? なら寝ている暇はないはずだ」
「げほっ、ごほっ・・・! も・・・もちろん、です・・・」
「アインハルトさん・・・! ルシルさん!!」
作戦とかもうどうでもいい。今はアインハルトさんの元へ行って、支えたい。一緒に戦いたい。だから「ごめんなさい、アインハルトさん!」って謝って、闘いが再開される前に「実は――」この練習会の真実を伝えた。
アインハルトさんとルシルさんの会話を実は聞いていたこと。アインハルトさんの抱える悩みから助けてあげたかったこと。ルシルさん達にお願いして、アインハルトさんの意識改革をしてもらおうと考えたこと。あと、今はルシルさんがアレンジした追い詰め方だってこと。
「(ごめんなさい、ルシルさん。今の追い詰め方もわたし達の作戦って言えないです)・・・アインハルトさんに、今のわたし達を見てほしかったんです」
「アインハルトさんは、私たちにとって大切で・・・」
「大好きな先輩なんです」
コロナとリオの“大切で大好きな先輩”の言葉に強く頷いたわたしは、「アインハルトさんは、自分ひとりが強くなって、自分の力だけで誰かを守りたいって考えてるんですよね・・・?」って続く。
「わたし達はそれが寂しいんです。一緒に強くなりたいんです。ただ守られる側でありたくないんです。わたし達だってアインハルトさんを守りたい、支えたい!」
「あたし達、アインハルトさんに比べたらまだまだ弱いけど、本当はもっと頼ってほしいです!」
「悲しいことも辛いことも分かち合っていきたい、嬉しいことはみんなで一緒に喜びたい。同じ視線で感じたい。・・・えっと、以上です」
なのはママ達のチーム海鳴みたいに、これまでの十何年も、そしてこれからの何十年も仲良く過ごしていけるような関係を目指したい。そんな想いを全部、アインハルトさんに伝えた。これでダメでも諦めるつもりはないけど、少しの間はヘコんじゃいそう。
「「「アインハルトさん、本当にごめんなさい」」」
感極まって泣いちゃってるわたしは、同じように泣いちゃったコロナとリオと一緒に磔状態のまま頭を下げてもう1度謝った。アインハルトさんはわたし達の話を黙って聞いてくれて、そして「ごめんなさい」とわたし達に謝りました。3人で「え?」って聞き返す。
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