暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga4-B届け!〜All for One〜
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あああああ!」怒声を上げてルシルさんに突撃した。
「悔しいか? 強くなって、守りたい人を守りぬきたい。それは誰もが抱く想いだろう」
ルシルさんは、アインハルトさんの拳のコンビネーションを的確な前腕でのガードをしつつ、「楽しんではいけない、笑ってはいけない。それは孤独を意味する」と、右ストレートを振り向きながらしゃがみ込んで避けて、右肩の上にあるアインハルトさんの右腕を両腕で掴み取ってそのまま背負い投げ。しかも地面に叩き付けるんじゃなくて、空中に放り投げるようなもの。
「独りでたどり着ける強さなんて脆いものだ。そして、その成長もまた遅くなるだろう」
ルシルさんの左脚に揺らめく魔力が付加されて、落下途中のアインハルトさんに踵落とし。魔力流は大きく伸びて、アインハルトさんに打ち付けられた。
「「「アインハルトさん!!」」」
地面に叩き付けられたアインハルトさんに、ルシルさんは「すぐに立てるだろ? 威力は限界まで落としていたぞ」と言って、右拳にだけ魔力を付加して構えを取った。ゆっくりとだけどアインハルトさんは立ち上がって、わたし達を見て「すぐにお助けします」と言ってくれた。
「そうか。だが残念だったな、アインハルト」
ルシルさんが指を鳴らすと、2本目の槍がまたわたし達のお腹を貫いた。直撃時の衝撃も何もないし、また力が溢れるから、たぶんコレは治癒系の魔法を槍の形にしてあるのかも。でもアインハルトさんはそんなこと知らないし、ショックを受けるような光景だから・・・。
「どうして・・・!」
アインハルトさんは今にも泣いてしまいそうな表情を浮かべながらも、ルシルさんに立ち向かいました。対するルシルさんは涼しい顔で、アインハルトさんの断空を含めた猛攻を捌き切ってる。
「ルシルさん、左目見えてないんだよね・・・?」
「うん。アイリとユニゾンしない限りは右目しか見えないはずだけど・・・」
明らかに死角からの攻撃も完璧に対応してる。やっぱり6千年以上と続く歴代セインテストの経験のおかげなのかも。
アインハルトさんはそんなルシルさんに決定打を入れられないことで、徐々に息を切らし始めた。それを待ってたかのようにルシルさんは本格的に攻勢に出た。高速連続の右ジャブでアインハルトさんをガードしっぱなしにしたところで、左の大振りなフックが繰り出された。
(あ、隙が・・・)
ジャブも止まって大振りな一撃ということもあって、アインハルトさんはその一瞬を突いて「覇王断空拳!」を繰り出した。ルシルさんはアインハルトさんの右側に滑るように回り込んで、アインハルトさんの首の後ろに両手の指を組んでの打ち下ろし技、ダブルスレッジハンマー、お腹には膝蹴りと、逃げられないように同時に打ち込んだ。
「かはっ・・・!?」
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