春を味わう筍料理・3
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の食感にタルタルソースの中に入った玉ねぎとピクルスのザクザクという食感とマヨネーズの酸味と旨味、そしてコクがプラスされてその味を引き立てる。
「美味しい!」
「そりゃ良かった」
さっきの我慢して言っていた(様に見えた)『美味しい』よりも、心からそう言っている様に聞こえる。何より、顔が違う。にへらっ、と崩れた笑みが愛想笑いではない本当の笑顔だと物語る。
『やっぱ似てんだよなぁ』
なお、その笑顔がドラ○エのスライムの顔に似てると思ったのは内緒だ。
「さてと、アタシ達はそろそろ切り上げますかねぇ」
そう言って徐に立ち上がる飛龍。
「だねぇ。丁度ボトルも空になったし」
見れば、一升瓶で出してやったはずの『兼八』が既に空になっている。いやいや、42度あるんだぞ?ソレ。
「にしても今日は随分と早いな。いつもならテッペン回るまでは居座るクセに」
「いや〜明日から西方海域の定期掃海任務だからさぁ」
「それに旗艦がながもんだから、寝坊したらおっかなそうだし」
定期掃海任務とは、シーレーンの安全を確保する為に敵の大小を問わずに兎に角数を減らす事を目的とした、言わば殲滅戦に近い任務だ。1週間から10日ほどかけて、航路上の補給基地等に立ち寄りながら朝から晩まで戦闘に明け暮れるという中々ハードな任務なのだが、それでも完全には根絶出来ずに輸送船が襲われる確率を下げる程度の効果しかないってのが悩みの種なんだが……やらないと被害が拡大するのでやらない訳にもいかないジレンマ。
「そうか、まぁ気を付けてな」
「ほいほ〜い。んじゃネルソンさん、またね!」
「今度は朝まで飲もう!」
「うむ。明日からの任務……武運を祈る」
そう言って颯爽と去っていくニ航戦の2人。その後ろ姿には気負いも不安もなく、ただいつも通りの事だと雄弁に物語っていた。
「……あれ、今日は馬鹿に早いのねぇ蒼龍と飛龍」
去る者があればやって来る者があり。ニ航戦の2人とすれ違いにやって来たのは
「おぉ、ムツではないか!こっちに来い、共に飲もうではないか」
「あらネルソンさん、こんばんは♪」
先程の会話に出ていた長門の妹・陸奥だった。
「いらっしゃいませ。何をお飲みに?」
「う〜んと……私のキープボトルって、まだあったわよね?」
「はい、『響 21年』ですね。どうしますか?」
「ロックで頂戴。加水はいらないわ」
「かしこましました」
手際よく、陸奥の酒を準備していく早霜。
「ツマミはどうする?」
「そうねぇ……今日は筍がオススメなんでしょう?」
「ああ」
「じゃあじゃあ、ウィスキーに合いそうな筍料理……お願いでき
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