第13話 改造手術
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日本国 東京 とあるレストラン地下
民衆党代表 鳩川由紀夫はゆっくりと意識が戻り、目を開ける。気づけば仰向けの状態で寝かされて、身体を起こそうにも手足をガッチリと金属製の枷でX状に拘束されていた……一糸まとわぬの生まれたままの姿で。
「………ここはどこだ?」
確か、自分は会社党の福井瑞穂に誘われてレストランで会食していた筈だ。それから突然、眠気が襲ってきて……目の前が真っ暗に……。
鳩川は仰向けの状態のまま、周囲を見渡すと薄暗い室内の中で様々な機械が小さく電信音のような音を鳴らしていた。どうやら手術室にいるらしい。
「私はなぜ、こんな場所に………」
なんとか頭を巡らせるが鳩川に思い当たる節はなかった。
すると暗かった室内に眩しく無影灯の光が鳩川の身体を照らす。
「うッ、眩しい!!!」
白い覆面と白衣を着た2人組の男達が鳩川に近づき、手術台の上の彼の身体を見下ろす。
「これより改造手術を始める!」
「素体はどうしますか?原田佳彦の時はドジョウだったし、韓内人の時はイラガだし……」
執刀医は少し黙り、考える素振りを見せる。
「ん〜、本部からは『ある程度は科学班に任せる』って言ってくれてるからなぁー」
科学戦闘員は悩んでいるようだったが鳩川は冷や汗をかく。最初こそ何を言っているか分からなかったが『改造』とか『手術』とか言っていることからこいつらがショッカーの一員だということは分かった。つまり、自分はショッカーに拉致されて改造人間に改造されるらしい。
(冗談じゃない!私はあの鳩川由紀夫だぞ!)
「お、お前達……ショッカーか!私を誰だか知っているのか?東大を主席で合格し、あの民衆党代表の鳩川由紀夫だぞ!こんなことしてただで済むと思っているのか!?」
しかし鳩川の威圧も意味なく、男は無視して助手に言う。
「うーん、こいつの名前は『鳩川』だし素体は『ハト』にするか!よし、すぐキジバトのゲノムを持ってきてくれ!」
「了解しました!」
「ハトだと!?そんなのは嫌だ!!や、やめろーー!!!」
その言葉を聞いてようやく科学戦闘員が鳩川の顔を見てにこやかに答える。
「分かるぞー、未知の存在になるのに不安なんだろ?助手が戻るまでちゃんと説明するからな……」
コホンと咳払いをすると拘束され怯える鳩川を見下ろして言う。
「貴方には改造手術を受けて改造人間になってもらう。素体は先程、言ったが『キジバト』だ。ハトというのは最高時速157kmで飛ぶことができるんだ!すごいよな」
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