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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第19節「血飛沫の小夜曲(前編)」
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方法を、俺達は自分の意志で選択したんだ! それを……何も知らないクセして知ったような口で否定してんじゃねぇぞッ! このドサンピンがぁぁぁぁぁッ!」
「ッ──!?」

ツェルトは怒りに身を任せて引き金を引き続ける。
乱射されたレーザーが、無軌道に翔の頬を掠めていく。

「最初に会った日からずっとそうだッ! そうやってお前は、俺の正義を曇らせるッ! マリィが貫く正義を守っていくと誓った俺の心を、決意を惑わせるッ! だがもう迷わんッ! お前はここで消してやるッ! お前も権力者の子息なんだろ? だったら俺達の敵だッ! 俺が最も憎むクソみてぇな連中に連なる存在だッ! ここで潰すッ! ぶっ殺してやる、融合症例第二号ォォォォォッ!!」
「ぐッ! ぐぅッ……!」

翔は疾走し続ける。狙いを定められないように、腰のブースターで軌道修正・加減速を繰り返しては、ただ縦横無尽に動き続ける。
しかし、乱射される光線は網目のように、翔を逃がさず狙ってきていた。

「動く的には当てられないという考えか? 甘いッ!」

これ以上は避けられないと判断したのか、翔は動き回るのを止め、ツェルトの正面に立つと一直線に向かってきた。

「死にに来たというのなら是非もないッ! 悔いを残して死ねッ!」

正面から突っ込んでくる翔に向けて、ツェルトはレーザー銃から実弾銃へと切り替え、同じ部位を狙って発砲する。

「うおおおぉぉぉぉぉぉぉッ!」

だが、次の瞬間……翔は跳躍した。

「何ッ!?」
「でぇぇぇぇやッ!」

頭上より繰り出される踵落としを、ツェルトは銃を交差させて受け止める。

落下の勢いと、ブースターの出力で威力を増したそれは、ツェルトの足元を沈下させ、クレーターを作る程であった。

「ッ!? バカなッ!? あれだけくらって、何故怯むことなくッ!?」

ツェルトの眼前に着地した翔のプロテクターは、あちこちに罅が入っていた。
いくらシンフォギアの防御性能が優れているとはいえ、同じポイントを何度も波状攻撃されてはいくらか傷付くのも必然だ。

しかし、翔はその罅を一瞥しながら言った。

「ジョセフ……お前の怒りはよく分かった……。あの軽口と余裕の笑みの裏側に、ずっとこんなものを隠してきたなんてな……」
「お前……何を……ッ!?」
「ようやく分かった気がするんだ……お前の事がな……」

翔の瞳が真っ直ぐに、ツェルトの目を見つめる。
その眼差しに射竦められたかのように、ツェルトの肩が強張った。

「お前にも……守りたいものがあって、その手に武器を取った……」
「ッ!?」
「だけど……今の自分達がやってることが、本当に正しいのか……迷いがあるんじゃないのか……?」
「お前、何を言って……」
「だったらお前……
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