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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第19節「血飛沫の小夜曲(前編)」
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る訳じゃ──」
「だとしたらどうします? あなた達なら……」

召喚されたノイズを全て倒し終えた響達に、ウェル博士はそう問いかけ──

「対する私達の答えが──ネフィリムッ!」

博士の呼び声と共に、地響きと共に地面が隆起し、クリスの足元から何かが姿を現した。

「ぐあッ!」
「──クリスちゃんッ!」

クリスの身体が宙を舞い、頭から落下していく。
純はアキレウスの俊足で加速し跳躍、クリスを抱えて着地する。

「クリスちゃん、大丈夫か?」
「ああ、なんとも──ジュンくん後ろッ!」
「え……ッ! しまっ──」

そこには、ウェル博士によって召喚されたもう一体のノイズ……口から粘液を吐きかけ、相手を拘束するダチョウノイズが立っていた。

気付いた時には既に遅く、純はクリスを抱えたまま、白濁色の粘液に絡めとられてしまった。

「クソッ! 身体が……身動きが取れねぇッ!」
「雪音ッ! 爽々波ッ! ──ッ!?」

二人を救援に向かおうとした翼にも、二体目のダチョウノイズからの粘液が吐きかけられる。

「──くッ! このようなものでッ!」

身動きが取れなくなった三人の方へと、地底から現れた巨人が振り返る。

それは、以前戦った時よりも更に成長したネフィリムの姿であった。

地下に潜り、東京都番外地区の汚染土壌に残留するエネルギーを吸収して、更に一回り大きくなっていたのである。

「人を束ね、組織を編み、国を建てて、命を守護するッ! ネフィリムはそのための力ッ!」
「グボアァァァァァァ!」

口から唾液を吐き散らしながら、ネフィリムは翼たちの方へと迫る。

汚染土壌のエネルギーを吸収しても、なお満たされぬ飢餓衝動が次に目を付けたのは……目の前に用意された新鮮な三つの餌だ。

「わたし一人でもッ! てえぇッ!」

仲間たちの元へと真っ直ぐに向かい、食らいつこうとするネフィリムの顔に、響は両足蹴りを叩きこんで注意を逸らすと戦闘に入った。




「さて、これで一対一だ。さっさと決着つけないと、仲間がネフィリムの餌になっちまうぜ……?」
「お前……それがお前らの正義だとッ!? こんなやり方が、お前達の掲げる正義だってのかッ!」

その瞬間、ツェルトの表情が怒りに歪んだ。

「うるせぇよ……」
「なに?」
「うるせぇんだよ! 誰に何と言われようが、俺達にはこれしかないんだ!」

迷い続け、それでも押し殺し続けてきたツェルトの感情が、翔の正義の是非を問う言葉によって今、爆発した。

「国は当てにならないし、大人達は信用ならねぇ! 苦しみに耐え、涙を殺し、それでも自分の事しか頭にない権力者どもに弱い人達が踏みつけられない為に、この世界を守る為に俺達が選べる最善の
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