第80話
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「…………リィンに絶対の忠誠を捧げているユリーシャ殿はやはり、我らへの協力は難しいだろうか?」
「当然です。我が主に”非”がある訳でもないのに、我が主の”守護天使”たるこの身が大恩ある御方にして”天使”であるこの身にとっては”生涯を共にする相手”でもある我が主を裏切る行為をする等、絶対にありえません。」
複雑そうな表情を浮かべて訊ねたラウラの問いかけにユリーシャは一切の躊躇いなく堂々とした様子で答えた。
「”守護天使”だか何だか知らねぇが、アンタは”灰色の騎士”サマと共にエレボニアの連中を殺しまくる事については何も思わないのかよ?」
「”戦争で兵や将が戦死するのは当たり前”です。”それに我が主は武勇を重ねる事で更なる称賛を受けて昇進されることを望んでおられます。武勇を重ねて”英雄としての格”が上がり、多くの人々から称賛を受ける事は我が主の”守護天使”であるこの身にとって誇らしい事です。」
「要するにユリーシャにとってはリィンの昇進は自分にとっての自慢にもなるから、むしろリィンの今の状況に大賛成なんだね。」
「天使の癖に意外と俗物的な考えを持っていやがるな……」
アッシュの疑問に対して答えたユリーシャの答えを聞いたフィーとクロウはジト目でユリーシャを見つめた。
「そもそも、”天使”たるこの身が守護すべき”主”にして”生涯の伴侶”と認めた御方と共に”戦場”で戦う――――――この身が持つ”天使としての力”で時には主達を支援し、時には主達の敵を葬る事が”天使であるこの身にとっての誇り”にもなりますから、この身に”戦場で敵の命を奪う事に忌避感はありません。”」
「て、”敵を葬る事が天使の誇り”って……!」
「なるほどね……その考えは”戦場で多くの敵を殺す事が勲章のようなもの”だと誇っていた大昔の戦士や騎士達の考えに似ているわね。」
「うむ……一部の伝承等では”天使”は”天界を守る天の聖戦士”という伝承もあるから、どうやら異世界(ディル=リフィーナ)の”天使”はその伝承通り、”聖戦士”の役割も兼ねているようじゃな。」
「それもまた、”天使ならではの価値観の違い”か……」
ユリーシャが語った話を聞いたエリオットが信じられない表情をしている中セリーヌとローゼリアは静かな表情で呟き、ガイウスは複雑そうな表情でユリーシャを見つめながら呟いた。
「―――それに”邪悪なる存在”を滅する事もそうですが、そのような存在に手を貸している愚か者達を滅してこの身と我が主の”正義”を示す事もまた天使たるこの身の役目です。ですから”邪悪なる存在すらも生かす事も考えている貴方達の考え”に応じる事はありえません。」
「じゃ、”邪悪なる存在”って………」
「そりゃ”天使”のアンタにとっては連中はまさに”滅すべき邪悪なる存在”そのものでしょうね。世界を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ