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レーヴァティン
第百五十三話 不戦勝その十

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「これが」
「そうだよ、男同士があるなら」
「女同士もな」
「普通にあるよ」
「そうだよな、そっちもな」
 久志は男として答えた、そこにある考えは男同士に対して持っているものと何一つ変わらないものであった。
「別にな」
「いいね」
「そんなのはな」
「何も問題じゃないよね」
「本当にな」
「同性愛はね」
「俺達にとっちゃな」
 それこそとだ、久志はまたこう言った。
「何が問題かって」
「そうした話だね」
「本当にな」
 こう言うのだった。
「そんなのだよ」
「だからだね」
「罪に問うなんてな」
「一切ないね」
「っていうかそれを言い出す奴がいたら」
 同性愛を法律で禁止しようとする者がいればというのだ。
「その方がな」
「問題だね」
「俺達の考えだとな、あとな」
 ここで久志は難しい顔でこうも言った。
「法律で禁じたら後で言い出す奴いるな」
「はい、元々駄目だったとですね」
 夕子が久志に応えて言ってきた。
「それで今回の対応は正しい等と」
「言う奴いるな」
「それまで一切言わず」
「それで禁止された相手に偉そうにご高説垂れるな」
「そうした人がいますね」
「それまで普通だったことを急に禁止にしたらな」
 それこそとだ、久志は言った。
「禁止された方は何だって驚くしな」
「戸惑いますね」
「それで困るけれどな」
「そうした相手にそう言う人はいますね」
「そういう奴は卑怯なんだよ」
 久志はそうした輩についてこれ以上はないまでの軽蔑を込めて言った、それこそ全否定するものであった。
「それまで一切言わずにな」
「禁止されてから言うことは」
「それなら最初からな」
「禁止する様に言いますね」
「そうさ、正々堂々としている奴はな」
「そうですね」
「今更後で言って」 
 そしてというのだ。
「しかも偉そうに得意気にな」
「ご高説を言うと」
「本当に卑怯だよ、あとこれまで何も問題ないって政府も言って民も全く普通だったことを何の前触れも議論も一切なくいきなり禁止する政府なんてな」
 久志はそうした政府についても言った。
「どんな政府だよ」
「とんでもない政府ですね」
「独裁政権でもそうそうないな」
「そうした政府ですね」
「そんな政府が民をどう思ってるか」
「言うまでもないですね」
「そんなこともわからないなんてな」
 そうしたことを言う輩はというのだ。
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