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レーヴァティン
第百五十三話 不戦勝その九

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「嗜んでいた」
「そうだったよな」
「平安時代も鎌倉時代も室町時代もな」
「本当に普通だったな」
「それを日記に書いた公卿もいた」 
 この日記は残っていて歴史的資料にもなっている。
「新選組でもあった」
「薩摩藩でもだったな」
「歌舞伎でも普通に描かれている」
「そうだよな、粂寺弾正とかな」
「その日本にいるとな」
「別に同性愛はな」
「嗜好というだけで罪とは思わない」
 正はこのことをはっきりと言い切った。
「事実日本の長い歴史で同性愛を行ってそれが罪とされた人はいない」
「捕まった人いないよな」
「一人もな」 
 それこそとだ、正はまた断言した。
「いない」
「そうだよな」
「俺もソドムとゴモラが同性愛だけだったらな」
「滅ぼさないよな」
「偶像崇拝もな、ユダヤ教やキリスト教でもないしな」72
 そうした同性愛を禁じている宗教とは縁がないというのだ。
「だからだ」
「それじゃあな」
「ああ、本当にな」
「同性愛はどうでもいいな」
「というか俺も全くわからない」
「同性愛が罪になるってな」
「何が悪い」 
 同性愛、それを嗜んでいてもというのだ。
「別にだ」
「そうだよな」
「だからこのことはな」
「これからも法律で禁じないな」
「むしろ禁じる理由が見当たらない」
「そうだな、そういえばこの辺りは同性愛盛んだったな」
 久志はそのアテネやテーベの話をここで再開した。
「そうだったな」
「そうそう、テーベなんかはね」
 剛はこの都市国家の話をした。
「もうそうした人達で編成した部隊があって」
「精鋭か」
「恋人がいつも傍にいるから」
「同性愛のな」
「それでね」
「無茶苦茶強いか」
「恋人にいいところを見せて」
 戦の場で活躍して、というのだ。
「そして恋人を護る」
「そうした要素もあってか」
「無茶苦茶強いんだ」
「テーベはその部隊が問題か」
「数は少ないけれど」
 それでもというのだ。
「テーベの切り札だよ」
「成程な」
「そうした隊もあるし」
「この辺りは同性愛は盛んか」
「そうだよ、この辺りもキリスト教あるけれど」
「それでもか」
「この浮島全体がそうだからね」
 同性愛は普通だからだというのだ。
「それでだよ」
「そうしたところだな」
「うん、それとね」
 剛は久志にさらに話した。
「一つ気になることは」
「何だ?」
「僕達が言ってるのは男同士だけれど」
「女同士もあるよな」
「同性愛はね」
「そうなんだよな」
 久志は剛のその言葉に応えて述べた。
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