暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第17節「奴らがUFZ」
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い。小さな涙を見捨てない。

背中を預けて戦う仲間と共に、かけがえのないその笑顔を護りぬく。

マルチバースを流れ星のように駆け抜けていく、そのヒーロー達の在り方こそ、彼らが目指す『漢』の姿。

最初は呆れ気味だった生徒らも、手拍子と共に彼らの歌に聞き入っていた。

『くじけない 最後の勝利掴むときまで――!』

歌い終え、ステージ中央に集まる四人。
拍手喝采を受ける彼らの表情は、とても晴れ晴れとしたものであった。

「す、すごいデース……」
「かっこいい……」
「デスが、アタシ達も負けてはいられないのデースッ!」

客席に手を振る流星を見つめる調の手を引き、切歌はステージに登る。

「確かに、中々のパフォーマンスだったデス。でも、アタシ達に勝とうなんざ、二万光年早い事を教えてやるのデースッ!」
「切ちゃん、光年は時間じゃなくて距離だよ」
「ほえ?」

舞台袖に引っ込んでいくUFZを指さしながら宣言するも、イマイチ締まらない啖呵となってしまった切歌が首を傾げる。

微笑ましいやり取りではあったが、マイクを握った瞬間、二人のまとう雰囲気も一転した。

「それでは続けて歌っていただきましょうッ! ……あ、えっと……」
「月読調と」
「暁切歌デェスッ!」
「オーケー! 二人が歌う『ORBITAL BEAT』、勿論ツヴァイウィングのナンバーだッ!」

イントロが流れ、二人は首を振りながらリズムを取り始める。

「ッ! この唄……」
「翼さんと奏さんの!?」
「なんのつもりのあてこすりッ! 挑発のつもりかッ!?」

響、未来が驚き、この曲を歌った本人である翼は表情を険しくする。

しかし……。

「幾千億の祈りも」
「やわらかな光でさえも」
「全て飲み込む暗闇(ジェイル)のような闇の魔性――」

翼のパートを切歌が、奏のパートを調が唄う形で、曲が進んでいく。

「いや……これは……彼女達の、本気の歌……」
「姉さん達には及ばないが、こんなに綺麗な歌声が……挑発でたまるかよ……」

歌詞、音程、発声に加え、振り付けまで完コピしたそのパフォーマンスに、響達やクリスはおろか、シスコンの翔でさえ感嘆の声が隠せない。

曲は既に二番に突入しており、最初は挑発かと言っていた翼も、二人がこの曲を選んだ意味に気付き始める。

防衛組織とテロリスト。立場の違いから敵対してきたものの、切歌と調もまた、心の底から歌を愛する少女なのだ。

「「この手この手 重なる」」
「刹那に」
「「砕かれたParanoia 熱く熱く奏でる」」
「記憶でリフレインしている」
「「命の向こうで――」」

二番まで歌いきったところで曲が終わり、二人はそれぞれ反対側の手を上げながら背中を
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