第17節「奴らがUFZ」
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会場内に響き渡る、暑苦しい待ったの声。
観客達、司会、スタッフ、審査員、そしてクリスと切歌、調までもが、そこに視線を向けた。
「その勝負、俺達も受けるぜッ!」
親指で自身を指さし、自信たっぷりに宣言したのは、アイオニアン一の熱血バカ。UFZの名付け親、穂村紅介であった。
「おおっとぉ!? ここでアイオニアンからの生徒が名乗りを上げるーッ! 挑戦者が二組、チャンピオンの座を狙い、挑戦者の部が始まったーッ!」
司会に煽られ、観客達が一斉に歓声を上げた。
恭一郎は驚きながら、紅介の肩を揺する。
「紅介! 何勝手に僕らまで巻き込んでエントリーしているんだ!」
「だってよぉ、もしあのちびっ子達が雪音先輩に勝っちまったらヤバそうじゃねえか」
「雪音先輩の歌はさっき聞いたばかりだろう!? 僕らじゃ足元にも及ばないじゃないか!」
「あのなぁミラちゃんよ、俺ぁ別に絶対勝つなんて言ってねえだろうが」
「はあ?」
わけが分からない、という顔で紅介の顔を見る恭一郎に、飛鳥がなるほどと手を打つ。
「雪音先輩はさっき一曲歌ったばかりだ。連戦となればコンディションが落ちる可能性も捨てきれない。だから僕たちで時間を稼ぎ、少し休憩させようという算段か。紅介にしては考えたじゃないか」
「そうそう、それそれ……」
(本当は、そんな細かいとこまでは考えてなかったけどな。雪音先輩を休ませるってとこ以外……)
飛鳥の補足を聞き、流星も席を立つ。
「そうと決まれば、異論はないね。僕達、エントリーするつもりで練習してきてたんだから」
「ミラちゃんが恥ずかしがって、エントリー用紙出さなかったからおじゃんになったけどな」
「なッ! そッ、それは……」
恭一郎は頬を赤くしながら、未来の方をチラリと見る。
紅介は恭一郎の肩に腕を回し、声を潜めて耳打ちした。
「ダチを助けて、小日向とも付き合える。ここを逃せば男が廃るぜ、恭一郎」
「た、確かに……」
「よおぉし、それじゃ行くぜぇ!」
「って、うわああああ!?」
紅介に引っ張られ、恭一郎はステージへと引き摺られていく。
それに飛鳥、流星も続いて行った。
「あいつら……」
「いつも通りだね〜……」
親友達の気遣いと変わらないノリに、翔と純は苦笑しながら彼らを見送るのであった。
ff
同刻、都内のとある廃工場。
誰も寄り付かない建物内に隠されているのは、先日二課の前に姿を現したF.I.S.の特殊ヘリ、エアキャリアだ。
その作戦会議室で、マリアは昨日の調と切歌の言葉を思い出していた。
『マリアが力を使う度、フィーネの魂がより強く目覚めてしまう。それは、マリアの魂を塗り潰してしまうとい
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