第16節「あたしの帰る場所」
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ていた事を、クリスは知らない。
「笑ってもいいのかな 許してもらえるのかな──」
想い出に続いて浮かぶのは、クリスに居場所をくれた人々の笑った顔だ。
翼、響、未来。
クラスメイトの3人や、弦十郎を始めとした二課の大人達。
そして誰より……大好きな王子様、純の姿。
皆が自分に手を伸ばし、名前を呼んでくれる。
それがなんともくすぐったくて……眩しくって……そして──
「こんな こんな 暖かいんだ……あたしの帰る場所──」
(楽しいな……)
「あたしの帰る場所──」
(あたし、こんなに楽しく歌を唄えるんだ……)
歌い終わり、お辞儀する。
会場は万雷の喝采と、身体を激しく打つ拍手で包まれた。
(そっか……ここはきっと──あたしが……いてもいいところなんだ──……)
「勝ち抜きステージ、新チャンピオン誕生ッ!」
証明を落とし、真っ暗になった会場。
スポットライトに照らされたクリスを讃えながら、司会は会場を見回す。
「さあ、次なる挑戦者はッ!? 飛び入りも大歓迎ですよーッ!」
チャンピオンが決定し、ここからは生徒ではない観客の中、或いはエントリーしていない生徒の飛び入り参加が可能となる時間。
流石にクリスの後に歌うのはプレッシャーが大きい。
誰も手を挙げないかと思われた、その時……。
「やるデスッ!」
観客席から手を挙げた、一人の少女にスポットライトが当たる。
ざわめく観客達。
挙手した少女と、その隣に座っていた少女が眼鏡を外す。
「ッ!? あいつらッ!?」
驚くクリスに少女達……調と切歌は、挑発的な視線を送りながら宣言した。
「チャンピオンに……」
「挑戦デェスッ!」
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