第16節「あたしの帰る場所」
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!」
二人は、昨日の作戦会議を思い出す。
「アジトを抑えられ、ネフィリムを成長させるに必要な餌、聖遺物の欠片もまた、二課の手に落ちてしまったのは事実ですが……本国の研究機関より持ち出したその数も残り僅か……。遠からず、補給しなければなりませんでした」
キザったらしく前髪をかき上げながら、ウェル博士はそう告げた。
壁際にもたれたツェルトがイラッとしていたが、博士の気にするところではない。
「分かっているのなら、対策もまた考えているということ?」
腕組みしたままそう問いかけるマリアに、ウェル博士は調や切歌のペンダントを見ながら答えた。
「対策などと大袈裟なことは考えていませんよ。今どき聖遺物の欠片なんて、その辺にゴロゴロ転がっていますからねぇ……」
「まさか……このペンダントを食べさせるのッ!?」
瞠目する調に、ウェル博士は両手を振って笑った。
「とんでもない。こちらの貴重な戦力であるギアを、みすみす失わせる訳にはいかないでしょう?」
その言葉で、マリアとツェルトは察した。
こちらのギアを失うわけにはいかない。
ならば簡単だ。敵である二課の装者達が持つギアを喰わせてしまえばいいのだから。
「だったら私が、奴らの持っているシンフォギアを──」
「それは駄目デスッ!」
「ッ!?」
出撃に名乗り出ようとしたマリアを止めたのは、切歌の声であった。
「絶対にダメ……。マリアが力を使う度、フィーネの魂がより強く目覚めてしまう。それは、マリアの魂を塗り潰してしまうという事。そんなのは、絶対にダメッ!」
調も立ち上がり、マリアの出撃に反対する。
そんな二人を見て、ツェルトも手を挙げた。
「俺も反対だ。二課にやられてバグが生じてるとは言え、アウフヴァッヘン波形に触れた分だけフィーネの意識は強くなる。それは俺だって嫌だからな……」
「三人とも……」
「だとしたら……どうします?」
反論した三人を、ウェル博士が見回す。
切歌は立ち上がると、力強く宣言した。
「アタシ達がやるデスッ! マリアを守るのが、アタシ達の戦いデスッ!」
「ツェルトはマリアに付いていて。わたし達がいない間、マムとマリアを守れるのはツェルトだけだから」
「──とは言ったものの、どうしたものかデス……」
ようやく本気で二課の装者達を探す気になったはいいが、この広い学園をどう探すか……皆目検討はつかない。
手詰まりかと思われたその時……二人に幸運が訪れた。
「あっ……切ちゃん、カモネギ……!」
「おっ? あっ!?」
調の指さした方向を振り向くと、目の前の渡り廊下を歩いて行く女子生徒が目に付いた。
二課の装者の一人、風鳴翼だ。
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