暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第16節「あたしの帰る場所」
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では熱唱してもらいましょう! テレビアニメ、『電光刑事バン』の主題歌で、『現着ッ!電光刑事バン』ッ!」

イントロが始まり、弓美、詩織がマイクを片手にポーズを決める。
なお、キメッキメの決めポーズとノリノリなセクシーポーズの二人に対して、頑張って鎌を構えている創世の表情だけちょっと差がある事は気にしちゃいけない。

「太陽輝くその下でッ! 涙を流す人々の、悲しみ背負って悪党退治ッ! 吠えろ現着、電光刑事ッ! 」

ちなみに『電光刑事バン』とは。
40年ほど前……弓美の両親達よりも、少し上の世代に向けて放映していた”テレビまんが“と呼ばれる古いアニメ。いわゆる昭和アニメである。

時代劇の延長線上にあった従来の子供番組とは一線を画し、 当時としては珍しい、中学生以上のアニメファンに向け、 一種オトナの娯楽作品を目指した内容であったのだが……。

派手な銃撃戦よりも、特捜課の刑事たちや犯人となる改造犯罪者の心の機微、警察組織内における個人の軋轢などに焦点を絞ったドラマ性に、スポンサーである玩具メーカーは難色を示し、資金集めに難航。
前年までコマやコケシと言った民芸品を製造していた、地方の新興玩具メーカーがスポンサーにつくことで一応の企画進行となるものの、放映までの準備時間があまりにも少なく、 制作現場は非常にタイトなスケジューリングを余儀なくされたという。

子供番組に一石を投じるはずの『電光刑事バン』であったが、 視聴率的には初回より大きな苦戦を強いられることとなり、指針を明るい冒険活劇へと転換した14話以降からは視聴率的には上昇傾向を示すものの、不幸なことに番組スポンサーの倒産や、出演声優の逮捕といったスキャンダルが重なってしまった。

結果として2クール満了を待たず、全22話+総集編にて番組は終了。打ち切りエンドとなった。

だが……その後、「知る人ぞ知る」という製作サイドにとっては不名誉な冠と共に、サブカル誌でオシャレな笑いの対象として語られるという辛酸を数十年味わうことになったこの作品。
近年、動画投稿サイトにアップされたMAD動画から端を発し、「知る人ぞ知る」のままではあるが、13話までの路線は近年、再評価の気運が高まっているとか。

実際、子供の頃に『電光刑事バン』に傾倒し、こじらせた結果、警察官や刑事……ではなくプロの漫画家や商業作家になった者も多いのだとか。

そんな彼らは一様に、どんな苦境にあってもくじけないバンの姿に胸を躍らせ、「アニメを真に受けて何が悪い」と信頼のおける発言を続けている。

当初は笑いの対象として見ていた弓美も、今ではすっかり中毒、もといハマってしまい今に至る。

ちなみに、勧められて視聴した流星からの評価は「某キチ〇イアニメと似たような臭いがする……」とイマイチだっ
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