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神機楼戦記オクトメディウム
第4話 舞いの神:前編
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下に尽きる事となるのであった。
 まず、自分が降参したとして、邪神は邪魔な巫女である自分をみすみす見逃すような事はしないだろう。捕らえたり洗脳したりして、無力化される事は想像に難くないのである。そのような事をされれば、とてもではないが自分はこれから先、健全な女子高生としての生活など約束されないだろう。
 そして、姫子自身が負けず嫌いという事もあった。と、言っても断じて自分より優れた者を認めず屁理屈や不平不満を言うような器の小さい形ではなく、自分が立ち向かった相手には背を向けないという、ほのかな武士道精神のような形のそれなのである。
 これは、伊達に彼女は鎧武者型の神機楼に選ばれてはいないという事であろう。
 それらの理由の元、姫子の口に発せられる言葉は決まっていたのであった。
「だが断る」
 だが、そのような英断もパクリであるのが姫子流であっちゃったのである。当然これには敵もツッコミを入れざるを得ない訳で。
「いや、あんたはどこぞの変態漫画家よ?」
 そう言いながらかぐらは密かに思っていた。──そういえば、『自分の所』にも『漫画家』が確かいたなあ、と。
 その者とは現時点では面識が薄いが、願わくば例の『変態漫画家』のような奇っ怪な趣味嗜好を持っていない事を望むばかりであった。ましてや、蜘蛛を捕まえて漫画の参考材料として「味もみておこう」等と言って舌でなめるような事をするのは言語道断である。
 ともあれ、折角のこちらの申し出は却下されたという事実に変わりはないのだ。故に、かぐらの心はここで決まったのであった。
「残念ね、あなたの事は殺さないでおけばいい友達になれたかも知れないのにね」
「え〜、私のお父さんはいい人だよ〜?」
「もう突っ込まないわよ?」
「う〜☆」
 友人でありながら父親のせいで復讐対象とされて謀殺されたというそういうまた別次元の話には、もうかぐらは耳を貸さない事にしたのであった。何か敵同士なのに緊張感がないのはどうかと思うから。
 そして、かぐらはここから気を引き締める事とするのであった。確かに敵は自慢の『輝扇』による攻撃を防ぐ手立てを持ってはいる。しかし、この空からの攻撃にいつまでもそれが通用しはしないだろうと算段を立てるのであった。
 そう思いながら、かぐらは再び愛機に持たせた扇を振り上げるのであった。
「この、あんたにとって不利な体勢で、いつまで持つかしらね?」
 そして、かぐらのそのような憮然とした態度に乗せながら遂に再び光の弾が姫子とその搭乗機体目掛けて襲い掛かったのだ。
「何の!」
 だが、姫子は弾神に再びマントを前方に纏わせてその攻撃を弾き返す。
 その防御を見てもかぐらは臆する事なく攻撃を続けていった。
「空からの私の攻撃、いつまで防げるかな?」
 そのようにかぐらは自分の優位を感
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