第3話 現れる敵
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、現代から廃れつつある忍者という存在を世に知らしめるという目的があるのだ。その為の資金を今から集めているという事なのであった。
幸い、千影は忍者としての修行により、来る客来る客の相手をこなしていかないといけないが故に忙しい時には些か軍隊染みた洗礼を受ける事になるファミレスの仕事もテキパキとこなす活躍ぶりを見せおり、彼女自身も仕事を楽しんで出来ていたのは幸いである。
そして、彼女のその生ける芸術的な容姿も相まって、千影は他の従業員からもそして客からも人気の的となっていたのであった。
だから、そんな『目標』の邪魔を極力してはいけないと姫子は思い、千影を呼ぶのは最後の手段にしようと心に誓う所なのだ。
「ここは……私だけで何とかしなきゃ、ね」
そう離れた所で精を出す千影に囁くかのように、はたまた自分に言い聞かせるように姫子は独りごち、決意を新たにする。
──今回襲撃してきた怪肢は計三体。これなら運動音痴な自分だけでもどうにかなるだろう。
そして、頼れる機械の巨人と共に戦場に降り立った姫子は、ざっと敵の様子を黙視して判断する。
──よし、今敵はいい感じに密集している。それなら、『あれ』を使うのが最善だろう。
そう思い至った姫子は、早速それを行動に移す。彼女は例の如く弾神に銃器を取り出させるのであった。
だが、その銃が今までとは違うものであったのだ。それは精密で複雑な構造をした代物であった。
どうやら、それは『機関銃』とおぼしき銃器であるようだ。
そして、その武骨な武器を持たせながら姫子は高らかに言う。
「いっけえー! 『散散ヒナアラレ』!」
その掛け声と共に姫子は機関銃の引き金を弾神に引かせると、その銃口から無数の弾丸がばら蒔かれたのであった。
そう、その様は正に『ひなあられ』の如く、だった。
そして、敵の機械蜘蛛達はその甘くないひなあられの洗礼を一気に受け、瞬く間に蜂の巣にされていったのだ。
しかし、そんな激しい火力の攻撃を繰り出したにも関わらず、街の周囲には被害は全く及んではいないようだ。
それは、怪肢に近代兵器が通用しないのと同じ理由であったのだ。それなら逆に神機楼が邪神が生み出す敵機以外への損傷を生み出さないように出来るだろう、そう1200年前の者達は考えてその技術を発展させたのであった。
それを今姫子は利用したという訳だ。今役に立つ要素は、例え仕組みが理解出来なくてもどんどん使っていくべきだろう。
そして、ものの見事な『一斉射撃』により刹那のうちにスクラップと化した機械蜘蛛達は、これまた一斉に爆散したのであった。
そんな光景を人目の付かない所で傍観していた──オレンジ色のツインテールの少女は独りごちる。
「やっぱり怪肢じゃ巫女には力不足って事みたいだね〜」
そう言
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