第3話 現れる敵
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い光に体を包まれる。その光が止んだ後には、姫子は白い小袖、そして風変わりな青い袴の姿にその身を包んでいたのであった。
そう、姫子はこうして一瞬の内に『戦闘服』に身を包んだのである。
学生である姫子は、普段から巫女装束で過ごしている訳にはいかないだろう。まず、学校には指定された制服があるからだ。
加えて、学校にいない時でも可愛い私服でお洒落したいのが女の子というものであろう。確かに巫女装束は『萌え』の要素が詰まった、その手の人には堪らない一品ではあるが、普段からはあまり着ようとは思わないだろう。
そんな女子高生の要望を、結果としてだが『神機楼』は答えてくれる仕様であるのだった。
それは、神機楼の力を発動する為の媒体を起動させれば、自動的にそれに相応しい出で立ちへと持ち主を着飾ってくれるという、何とも都合のいいシステムであったのだ。
だが、利用出来るものは利用すべきだろう。なので姫子もその神機楼の仕様をありがたく利用し、可愛い制服や私服を楽しみつつ、巫女としての常務もこなす事が出来るのだ。
そして、戦場へ赴く為のコスチュームに身を包んだ姫子は、そのまま混乱のただ中にある現場へと飛んでいくのであった。
◇ ◇ ◇
そこに行けば、やはり学校の周囲には例の蜘蛛型機械生命体たる怪肢が暴れ回っていたのである。
それを見た姫子は、迷わず行動に出る。
「出でよ、ヤサカニノマガタマ!」
その掛け声と共に姫子は手に持った勾玉を天に掲げる。すると先日と同じように西洋風のマントを携えた青い鎧の武者の形をした巨体が彼女の前に出現したのであった。
その後も同じであった。例の如く姫子は光の塊になると、彼の胸部にあるコックピットへと飛び上がり吸い込まれていったのだ。
こうして、姫子の戦闘準備は整ったのであった。
それが済むと、姫子は少々ここで今の現状に嘆く思いとなる。
それは無論、最高のパートナーである千影がこの場にいない事である。
その理由は、彼女が午後の授業を終えた後すぐ、ファミリーレストランへとアルバイトへ行った事にあるのだった。
実は、千影の家は貧乏であったりするのだ。故に、両親はお小遣いを満足に与える事が出来ないでいるのだった。
だが、根が真面目な千影はその事で両親を責める事なく、自分の小遣いは自分で稼ぐと意気込んでアルバイトを行うに至っているのである。
高校でアルバイトを許可している場所は少ないのだが、幸いこの穂村宮高校では完全には禁止されてはいなかったのであった。
しかし、高校生の身でありながらアルバイトをこなすのは負担が掛かりすぎるものであるから、常時には許可してはおらず、その場合は学校へと要相談なのであった。
そして、アルバイトをする真っ当な理由が千影にはあったのである。
それは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ