第2話 戦士達の帰還
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われたこの大神家の浴場は新鮮なものであるのだった。
そのように憩いの時を満喫する姫子は、そのまま千影に話し掛ける。
「和希さんの言う通り、これから大邪との戦いが本格化するだろうから、今こうして羽根をじっくりと伸ばしておくのがいいよね、千影ちゃん♪」
そんな前向きで屈託のない姫子の立ち振る舞いに、千影は心が救われる……それ以上のものを感じているのだった。
「ええ、今この時を大切にしなければならないわね。と、言う訳で充実した時間にする為に……姫子、あなたのおっぱいを揉ませなさい」
「いや……、何が『と、言う訳』だって?」
姫子はドン引きしてしまった。だが、元より千影の入浴の同意を計画通りに得た時点で心得ていた事でもある。
姫子は小学校からの千影との付き合いの中で理解していたのであった。千影が自分を見る目が、想いの相手を見るようなものになってきている事を。
柔らかな表現で『百合』、直球な表現で『レスビアン』。そのような感情に千影は姫子に対して目覚めてしまっていったのだった。
それは、姫子が女性としての成長をしていくにつれ、千影の心の奥に眠っていた禁忌的な感情が目覚めていってしまったという訳なのだ。
だが、そのような一線を越えた感情に苛まれつつも、千影は羽目は外さないのであった。
「というのは冗談よ。この戦いが終わるまでそんな事はしないわよ」
「『今は』って事!? しかも何気に死亡フラグ立てる台詞になってるし!?」
姫子はとことんやるせなくなるが、ここで機転を利かせて話題を変える事にする。
「でも、私達が着てる巫女装束の袴ってズボン状なんだよね。お陰でちょっと蒸れちゃって少し困るんだよね〜」
そう、姫子達の装束は明治時代以降に現れたスカート状の物ではなく、古来から伝わる由緒正しきズボン状の代物であるのだった。そもそも、巫女とは女性が男装するという意味合いのものなので、そういう構造になっているのだ。
もっとも、彼女らにはまた別の理由も存在する事を千影は言及する。
「仕方ないわよ。神機楼を操縦するにはスカート状では動きづらいでしょう?」
という事である。搭乗者の動きをダイレクトに反映させて操縦する神機楼の性質上、両の足をそれぞれに通すズボン状でなければ扱いに支障をきたすという事である。
「そうだよねぇ〜。ちょっと履き心地悪いけど、仕方ない所だね」
千影に言われて姫子は、まだ不満は残るものの納得する所であった。だが、そんな彼女に千影は付け加える。
「でも、私もスカート状じゃないってのは不満な所ね、だって──」
「はい、その話はここまで!」
何やらまた話の雲行きが怪しくなってきた事を敏感に察知して、姫子はここで打ち切る事にしたのであった。それはもう、千影の恍惚とした表情で姫子に語りかける様を見れば的確な
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