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神機楼戦記オクトメディウム
第1話 戦いは始まっている
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を上げながら千影に威嚇をしたのであった。そこには、仲間を倒された復讐心が本能的に芽生えているのかも知れない。
 そして、仲間の敵討ちと意気込むかのように蜘蛛はその八本の足を巧みに操りながら鏡神へと肉薄していくのであった。
 しかし、時既に遅し……であった。
「そこっ!」
 千影は手早く言ったかと思うと、鏡神の手にある武器を握らせていたのであった。
 それは星型に似ているが、角は四つという忍者といえばお馴染みの産物である、『手裏剣』なのであった。
 鏡神はその手裏剣を手早く振りぬき、次々と射出していったのである。
 その後は一瞬であった。気付けば敵の蜘蛛の体には複数の手裏剣が突き刺さっていたのであった。
『!?!?!?』
 その蜘蛛は一瞬自分の身に何が起こったのか分からずに、悲鳴のような異常音のような得体の知れない怪音を発したかと思うと、彼も先程の一体目と同じく爆散してしまったのだ。
(さすが千影ちゃんだね……)
 姫子はそんな相方の体捌きには憧れるものがあるのであった。運動音痴な自分では到達出来ないものが、そこにはあったからだ。
 だが、同時に彼女は自分を見失ってはいなかった。確かに千影の忍者としての芸当は素晴らしいが、姫子には自分に出来る戦い方をするだけだという事が分かっているのであった。
(私も負けていられないね)
 そう意気込むと、姫子も街を混乱に導く機械仕掛けの怪物へと意識を改めて向ける。
 そして、敵の一体は姫子の駆る弾神が隙を見せているものだと思い込み、本能の命じるままにより仕留めやすい方を餌食にしようと動きを見せたのであった。
 続いて、その蜘蛛の一体は金属質な体から牙を見せて戦意満々の態度をして見せると、背後から弾神へと襲い掛かったのである。
 彼等は本能で動く存在である。故に卑怯だとか正々堂々などという、人間が後天的に取り決めた価値観など持ち合わせてはおらず、ただ得物を狩る為の合理的な衝動に従うだけであるのだった。
 だが、今回ばかりはその純粋で真っ直ぐな衝動が命取りであったのだ。その答えはすぐに出る事となった。
「甘いって」
 姫子は弾神越しにそう呟くと、振り向き様にその蜘蛛に目掛けて……弾神の手に持たせた銃から弾丸を射出していたのであった。
 その弾丸に蜘蛛は一発で射抜かれて爆散してしまったのである。
 そう、これこそが稲田姫子の持ち味である、『射撃能力』であった。
 最初は姫子とて、「運動音痴な私が世界平和の為に怪物と戦うとか、何かの冗談だよね!?」と言って断りを申し出たものであるのだ。
 しかし、彼女は射撃大会で優勝した程の射撃の腕を買われて今の役職にいるのであった。
 そして、姫子はその類稀なる射撃の腕を活かして、相方の千影に劣らない戦力を見せるに至っているのである。
 勿論、姫
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