第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第21話 姉の方は別に……:後編
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して、豊姫との憩いと、新たな親睦の場は幕を閉じたのだった。
◇ ◇ ◇
「とまあ、豊姫さんとそういう話をしてきた訳ですよ」
永遠亭の休憩室で依姫と、勇美は朝方の事を話した。
「そう、やっぱりね。気付いていたわ、豊姫が汚れ役を引き受けるのは、私の為だって事を」
そう依姫は呟く。それを聞いて勇美は思った。やはり依姫と豊姫は互いに深い信頼で結ばれているのだと。
「勇美、今回豊姫と話せて良かったわね」
依姫はそう感想を述べた。先程の豊姫とのやり取りから学んだ事は、この先勇美を更に成長させていくだろうと感じての事であった。
「ええ、充実した時間を過ごせましたよ」
勇美もご満悦と言った表情で答えた。
「そして豊姫さんとの親睦によって出来たのが、この『桃と小松菜のグリーンスムージー』よ」
「だからって、何でこんなゲテモノが出来上がるに至る訳よ……」
依姫は手を額に当てて、勇美が作り出してテーブルに置いた産物に対して項垂れた。それにしても勇美が好きな食べ物は小松菜だったのかとも思いながら。
「むぅ……。ゲテモノとは失礼な。まあ飲んでみて下さいよ」
「気が進まないけど、そこまで勇美が言うなら」
依姫は意を決する事にした。一口飲んで不味いならはっきりと指摘しようという考えの下に。
そして、依姫は一見得体の知れない緑色の液体を少し嚥下した。
「あら美味しい」
「でしょ〜」
それは意外に美味だったのだ。桃の甘さと、小松菜が入っていて程よく苦味もあるが、まさか野菜が入っているとは思えない味わいに、半分凍っている事により独特の口当たりが魅力な飲み物として完成していたのだった。
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