第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第20話 姉の方は別に……:前編
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一度は望む能力の一つ『テレポーテーション』なのだ。しかもそれは宇宙規模に及ぶ程であるのだから。
「うん、自分でもそう思うね」
かく言う豊姫自身もその自覚はあるようだ。
「私を捕まえて如何わしい事をしたいのなら、もっと修行を積む事ですよ」
「え゛っ……」
その言葉に勇美は上擦った声を出してしまった。
何故なら突っ込み所が多かったからだ。如何わしい事をするの自体はいいのかとか、その為に修行を積めだとか。
依姫は絶対言わないような事であった。この辺りが姉と妹が徹底的に違う事の縮図の一つかも知れない。
そんな事を思いつつ、勇美は本題に入る事にした。
「それで豊姫さん、私に何の用ですか?」
「うん、大した事じゃないんだけどね、私と人里の喫茶店でもいかないかな〜って」
「喫茶店ですか?」
勇美は聞き返す。
「うん、喫茶店。勿論勇美ちゃんが疲れてたりして迷惑じゃなければだけど……って思ったけど、その点は心配なさそうだよね」
そう言って豊姫は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「はい、今色々エネルギーが有り余ってますから、いい機会ですよ」
勇美は苦笑いしながら言った。
「それじゃあ決まりね、行こうか♪」
「準備は……しなくていいんですよね。豊姫さんがいるから」
つくづく反則的な能力だなと、勇美は心の中で独りごちながら豊姫に誘われるままに身を委ねるのだった。
◇ ◇ ◇
そして二人は人里に構えられたとある喫茶店の前に来ていた。
ちなみに豊姫の能力による出現先は人目のつかない場所を選び、騒ぎにならないように配慮した。
「ここが私のお気に入りの喫茶店よ」
「ここですか……」
言いながら勇美は見とれていた。
その外観が立派な赤レンガで作られていて、荘厳かつ小洒落ているという独特の空気を醸し出していたからだ。
「いい所ですね〜」
「そうでしょ♪ それじゃあ中に入ろうか」
二人はそう言い合い、喫茶店の中に入っていったのだった。
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