第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第20話 姉の方は別に……:前編
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…」
勇美を包み込む違和感。それを何だか考える彼女。
そして、その理由に気付く。
「あ〜! 元気が出すぎてるぅ〜!」
それが答えであった。気孔により代謝が出たはいいが、如何せん効き目が強すぎたのである。
そして、咲夜がレミリアに対して色ボケしているのも、この効きすぎる気孔の影響かも知れないと勇美は思うのだった。
昨日は陽の当たらない紅魔館で一夜を過ごすのであった為問題無かったが、今は陽が十分に当たる永遠亭の自室だったのだ。
過ぎたるは及ばざるが如しという奴であろう。いくら調子が良くても、良すぎては落ち着いて休む事も出来ないのだ。
だが、勇美はそれを利用する事にしたのだった。
「うん、ゆっくり休めないなら、体を動かそう」
そう結論づけて、勇美は早速行動を開始する事にしたのだ。一人でも出来る鍛練もあるだろうと。
そして、意気込みながら部屋を出ようとした時であった。
コンコンと扉をノックする音がしたのだ。それに続いて部屋の外から声が聞こえた。
「勇美ちゃん、ちょっといいかしら?」
それを聞いて、勇美は「誰だろう?」と思った。少なくとも依姫は勇美には『ちゃん』は付けない。
「まあ、考えても仕方ないか」
勇美はそう思い扉を開け、誰だか分からない客人を招き入れる事にしたのだった。
「はい、どなたですか?」
そう言って勇美が扉を開けた先にはブロンドのロングヘアーがきらびやかな女性が立っていた。
その姿を見て、勇美はその人物が何者か少しの間を置いて察するのだった。
「豊姫さん!」
そう、勇美がお世話になっている依姫の姉、綿月豊姫その人であったのだ。
「勇美ちゃん、お元気してた?」
「はい、それはとっても……」
豊姫に言われて勇美は今の元気過ぎる自分の現状を思い出してしまった。
更に条件の悪い事に、今の豊姫の出で立ちは、かつて勇美が彼女に提案した白のノースリーブワンピースにケープという勇美のフェティシズム丸出しのものだったのだ。
故に勇美は欲情してしまったのだ。不幸中の幸いに勃起はしなかった。勇美にはそのような物はないから。
だが、勇美が野獣と化すには充分過ぎる条件が揃ってしまったのだ。
「いただきマンモス〜!」
そして勇美は昔どこかで聞いた事のあるフレーズを吐きながら豊姫に襲い掛った。恥知らずな行為であったが、それでも「いただき○○○」でなかったのは不幸中の幸いであった。
窮地に立たされたかのように思われた豊姫。だが彼女は慌てずに自分の能力を使い、難なく勇美をかわした。
びたーん。そんな哀愁漂う音を立てて勇美はしたたかに床に体をぶつけてしまったのだった。
「ううう……」
口惜しいそうに涙目で唸る勇美。
「豊姫さん、あなたの能力、チート過ぎますよ」
要は誰もが
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