第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第19話 悪魔嬢レミリア:後編
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
勇美との戦いで全世界ナイトメアを発動したレミリアは得意気に言う。
「それも、ナイトメア……即ち『夢魔』という奴さ! これから覚めない悪夢を噛み締めるといい!」
「いえ、私はこの歳でおねしょはしたくないので遠慮しておきます」
だが、相手側の発言により見事にオジャンにされてしまった。エンターテイナーの面目丸潰れである。
「あなたの悪夢に対するイメージはそんなんかい!」
「ええ、これだけは譲れません。小さい頃苦労しましたから」
キッパリと言ってのける勇美。
「……まあいいわ」
調子が狂ってしまったレミリアだが、やる事は変わらない。
「私の可愛い夢魔達よ、獲物を喰らい尽くせ!」
レミリアは指を勇美に指すと、夢魔達に迎撃命令を下したのだ。
「うわあ、来た!」
当然勇美は慌ててしまう。今までのレミリアの攻撃とは趣が違う禍々しいものであったから尚の事である。
「こうなったら仕方無いか」
だが、勇美の方も腹を括る事にしたのだ。
「祇園様、天津甕星様、お願いします」
勇美は二柱の神に呼び掛けると、右手に筒上の機械を現出させた。
「ふんっ!」
その掛け声と共に筒を一振りすると、先から眩く輝くエネルギーの刃が放出されたのだ。
「勇美、貴方好きねえ、あの映画……」
妹紅の時も似たのやったじゃないかと、依姫は頭を抱えながら突っ込みを入れた。
「甘いですよ依姫さん」
だが、勇美は左手で人指し指をチッチッと振るりながら得意気に振る舞い、
「【機符「一年戦争の光の剣」】!」
と宣言した。
「そっちかい!」
依姫は再び頭を抱えた。ちなみに一年戦争のそれは超能力で戦う騎士のそれのオマージュであるため、元は同じであるのだが、それはどうでも良かった。
「じゃあ、行くとしますか!」
依姫の哀愁をよそに勇美は意気込み、自分に迫りくる夢魔の群れへと目をやった。
「まずは一匹目!」
高らかに言いながら勇美は夢魔の一体目掛けて光の刃を振り下ろした。ハサミで厚紙を切るかのような音を立ててその夢魔は斬り裂かれて雲散した。
「勇美、いつの目にそんな身のこなしが出来るようになったの?」
依姫はその事に驚いていた。
「依姫さんや、その他の私が戦ってきた人達に鍛えられたって事ですよ」
私は人間だから、力任せに武器を振るう事が出来ないから、こうしてエネルギーで攻撃してますけどねと勇美は付け加えた。
「それでも凄いわよ」
だが依姫は素直に感心するのだった。
「やるじゃないか、でもまだ夢魔は沢山いるわよ!」
レミリアのその発言に呼応するかのように二体目の夢魔が勇美に迫り、その爪を振りかざした。
「甘い!」
そう言って勇美は爪の攻撃を難なくかわしてみせる。そして振り向きざまに光の剣を突き立て夢魔を無に還した。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ