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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第19話 悪魔嬢レミリア:後編
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前に出し、ものの見事に矢を掴んで見せた。
「ええっ!?」
 メカニカル・スナイパーのアイセンサーが捉えた視覚情報から、勇美は驚愕してしまった。
「ふんっ!」
 そしてレミリアは掛け声と共に、矢を握りしめてへし折ってみせたのだ。
(残念だったわね。いくら視覚に捉えられても、攻撃が通らなければ意味がないのよ)
 レミリアは得意気に心の中で呟いた。

◇ ◇ ◇

「……」
 対する勇美は放心状態となってしまっていた。折角の渾身の一撃が防がれてしまったからだ。
「ここまでなのかな……」
 相手の攻撃を防ぐ事が出来ても、自分の攻撃を通す事が出来なければ勝てない。そして、何度も相手の射程外からの攻撃を何度も撃ち落す程の技量は勇美にはないのである。
 万事休すか。そう諦めようとした時、以前依姫がレミリアに勝った時の映像を思い出したのである。
(依姫さんは太陽の力を使ってレミリアさんの弱点を突いたんだよね)
 弱点を突く。それは立派な戦術であると勇美は思った。
 相手の弱みに付け込むのが常套手段な傲慢な者は多い。挙句の果てには弱みに付け込むという行為は『手段』であるにも関わらず、それを『目的』とする場合すらある。
 一言で言って卑怯な行為である。だが、勇美はまだ未熟であるため、正々堂々として戦える程立派ではないので、なりふり構わず勝利を掴もうとするのが今の彼女の心情なのだ。
 依姫はレミリアの弱点を突く形で勝利したが、それは寧ろ相手の弱みを知りながら敢えて突かないのは失礼に当たると思っての事であった。特にレミリアのように自尊心の高い者に対しては。
 だが、同時に依姫は正々堂々を心情とするため、相手の攻撃を全て攻略した上で弱点を突くという武人的な結論で決めたのだ。
 しかし、それは依姫程の洗練された者だからこそ出来た行為である。勇美には到底真似出来ない事なのだ。
 だから、勇美は何としてでもこの勝負に勝利しようと心に決めたのだ。
「でも、天照大神の力を私が借りてもレミリアさんへの一撃必殺にはならないと思う」
 故にどうすればいいのか考えていた勇美であったが、ここで先日阿求との勝負の時の内容を思い出した。
「あの時は確か……」
 そして勇美は思い出した。レミリアの弱点は流れる水だと発言したのを。
「それだ!」
 勇美は頭の中が弾けるような心持ちとなった。思い立ったら吉日、後は実行するまでだ。
「何もして来ないなら、続いて行かせてもらうわよ!」
 レミリアは再度狙いを勇美に定め、紅の銃の引き金を引こうとしていた。
「その攻撃、ちょっと待って下さい! 『ネプチューン』に『ナーガ』よ、私に吸血鬼を打ち破る力を貸して下さい!」
 そう言って勇美は新たに二柱の神に言葉を示した。
 すると彼女の目の前に半人半魚の神と、蛇の
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