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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第19話 悪魔嬢レミリア:後編
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けきっていたが、徐々に足取りが覚束なくなり、ついに被弾してしまったのだ。
「痛っ!」
 自分に当たった弾が弾けた衝撃に、勇美は苦痛の声を上げた。
「効果覿面ね」
 レミリアは満足気に呟いて笑みを浮かべた。
「さすがは私の能力とパチェの技術で作った最新兵器だけの事はあるわね。精度も申し分ないから、これならあの手が使えるわね」
「あの手?」
 勇美が聞き返す間もなく、レミリアは羽ばたき、更に上空へと高度を上げたのだ。
「どういうつもりですか?」
 勇美はそうレミリアに聞いた。それ程まで高度を上げたら自分を狙うのは困難に……。
「まさか!?」
 またしても勇美は嫌な予感に苛まれたのである。
「いい勘してるわね、霊夢ほどじゃないけど」
 レミリアは上空から勇美に言った。
「それじゃあ、第二弾、喰らいなさい!」
 そしてレミリアは再び化け物銃の引き金を引いた。
 より高い高度から放たれた銃弾。そんな所から撃っても狙いなどたかが知れているだろう。普通なら。
 だが、勇美の予想通り、その銃撃は寸分違わぬ狙いで彼女目掛けて突き進んできたのだった。
「やっぱり!」
 勇美はそこで咄嗟に先程二柱の神の力を借りた攻撃を再び行った。
「クェーサースプラッシュ!!」
 再び機関銃の形態になった自分の分身から、星の飛沫を放出し、紅の散弾目掛けて攻撃したのだ。
 間一髪の所で撃ち落とされる散弾。するとエネルギーが四散するが、それも星の飛沫に掻き消されていった。
 こうして、相手の攻撃は防ぎ切った勇美であったが、ここからが最初にクェーサースプラッシュを放った時のようにはいかなかったのだ。
「届かない……」
 これこそが最大の問題であった。最初の時は相手の攻撃を防いだ後に本体に攻撃出来たのだが、今度はレミリアは遥か上空にいるが故に再び攻勢に持ち込む事が出来なかったのである。
「参ったね……」
 勇美は口惜しそうに呟いた。
「さすがね、この銃は……」
 レミリアはその勇美の様子と、友人との共同開発の銃の性能に酔いしれる。

◇ ◇ ◇

 レミリアがこの魔銃をパチュリーと作り始めたのは、彼女が月から帰ってきてからであった。
 彼女は月には遊びに行く感覚で攻めに行ったのである。故に依姫との勝負に負けた事も遊びの一環であるから特に気にしてはいなかった。現にその後に月の海を再現して遊ぶという娯楽に浸っていたのがその裏付けである。
 だが、『完全に』という訳にはいかなかったのだろう。体当たりに返される形で天照大神の力を打ち込まれた事に、心のどこかで引っ掛かるものを感じていたのかも知れない。
 それが魔銃を完成させるモチベーションに発展したようだ。体当たりだけじゃない自分の強みを作るという。
 そしてレミリアは心の奥底で、この銃を
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