第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第19話 悪魔嬢レミリア:後編
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
し紛れさは感じられない。
「だから、私の方からもお楽しみを受け取ってもらうわよ……パチュリー、例の物を」
「分かったわ」
突然レミリアに呼び掛けられた外野のパチュリー・ノーレッジは両手を目の前にかざした。
そして何やら呪文を唱え始めると足元に魔法陣が浮かび上がる。
続いてその魔法陣から細長い物が出現し始めたのだ。
「何、あれ……?」
勇美はその異様な光景に目を見張った。
それをよく観察してみると、ライフルのような銃器である事が分かった。
ただし、色は目に焼き付くような真紅色、持ち手にはこうもりの翼のような物が生え、更には所々に血管のように脈動する機関が存在する、普通の銃とはかけ離れた禍々しい物であった。
「さあパチュリー、それを私によこしなさい!」
意気揚々とレミリアは友人に命令じみた要求をするが。
「いや、レミィが取りに来なさい」
……何か変な流れになってきていた。
「って、こういう場面では投げて渡すのがセオリーでしょう」
「私にそんな体力があると思う?」
そして暫し起こる沈黙。
「ごめんパチェ、私が悪かったわ」
「分かればよろしい」
レミリアが折れるという意外(?)な結果となった。
「貴方のご主人、所謂中二病という奴かしら?」
「ええ、そういう年頃ですわ」
依姫に突っ込みを入れられるも、咲夜は温かい目でレミリアを見守る事にしたのだった。
そしてレミリアはパチュリーの元へと舞い降り、丁寧に銃を手渡しで受け取ったのだった。
「うん、やっぱり締まらないわね」
自分で取りに行ったレミリアだが、やはり納得はいかないようだ。
そんなレミリアを、勇美は共感の眼差しで見ていた。
「レミリアさん、あなたの気持ち、よく分かりますよ」
──ここにも中二病な人がいた、依姫はそう思いながら嘆いた。
しかし、勇美はそのものズバリな年齢である為仕方ないかと依姫は目を瞑る事にしたようだ。
「待たせたわね。では弾幕ごっこを再開といきますか」
レミリアはその幼女の姿に不釣り合いな禍々しいライフルを担ぎ上げながら言った。
「……」
改めてその銃を垣間見た勇美には思う所があり、それを口にする。
「あの、レミリアさん」
「何かしら?」
「何だこの銃は〜?」
「少なくともクリムゾンじゃないから安心しなさい」
勇美に言われてレミリアは首を横に振った。
──あの銃は色々問題がある。特に照準が右下にずれている所が。
気を取り直してレミリアは銃を担ぎ上げながら地面を蹴り上げると、その勢いに任せて空高く舞い上がったのだ。
「空から銃を使うんですか?」
勇美はそうレミリアに問う。
「ええ、空からの攻撃は私の十八番だからね」
対するレミリアはニッと笑みを浮かべる。
「それじゃあ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ