第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第18話 悪魔嬢レミリア:前編
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イフや時間操作を使っても、これは絶対に使ったりはしないと。
明らかに周りの勇美を見る目はおかしくなっていた。だが当の本人は空気を読まなかった。
「行きますよレミリアさん。ぶっつぶれて下さいぃ〜!」
そうのたまいながら勇美が念じると、その咲夜から借りた技(嘘)は宙に浮き上がり、レミリア目掛けて突進していった。
「しかも、ロードローラーとしても使い方おかしいし〜!」
そう突っ込みを入れつつも、レミリアはこれは厄介な攻撃だと思った。単純に見ても鉄の塊をぶつけるのは攻撃として案外効率的だったからだ。
しかし、レミリアは慌ててはいなかった。
「これは人間相手なら致命的ね。でも……」
レミリアは再び拳を振り上げて、ロードローラーに狙いを定める。
「私が吸血鬼だって事、忘れてはいないかい?」
そう言い切って、レミリアは迷う事なく拳撃──レミリアストレッチ──を鉄の塊であるロードローラー目掛けて繰り出したのだった。
そして激しい破裂音と共にロードローラーの一部が陥没したのだ。
「まだまだぁー!」
それでレミリアの猛攻は終わらずに二撃、三撃と鉄をも抉る拳が次々に打ち込まれていった。
「このままスクラップにしてやろうじゃないか?」
興がのりにのったレミリアは意気揚々と、自分に向かって来た鉄の巨体を廃品にしようと闘志を燃え上がらせていた。
だが、レミリアは見逃していた。──不利に追い込まれている筈の勇美の表情が不敵な笑みを湛えていた事を。
それに気付かずにレミリアは続けて拳を鉄塊に送り込み続けていた。
「これで最後よ!」
そしてレミリアが渾身の一撃を鉄塊に打ち込むと、とうとう衝撃に耐えきれなくなったそれは崩壊の時を迎え……爆発を起こしたのだった。
そう、爆発である。
「な、何で爆発なんか起こるのよぉ〜っ!」
突然の異常事態に対応出来ずに、レミリアは爆発に巻き込まれて吹き飛ばされてしまった。
「あたた……」
今度は自分が倒れる番となったレミリア。色々な種類のダメージを負いながら頭がこんがらがりそうになりながらも体を起こした。
「一体何なのよ!」
当然憤慨するレミリア。
「それはですね。白虎の力を借りる時、同時に愛宕様の力も借りていたんですよ」
勇美は得意気に説明し始める。
「つまりどういう事よ」
「ロードローラーの中に愛宕様の力を封じ込めていたんですよ。要は壊れる事で爆発する、大型の爆弾になってもらっていたという訳です」
それを聞いて、レミリアは見事に謀られたと痛感するのだった。まさかただの質量任せに仕掛けられた攻撃だと思われたものに、相手の行動により起動する罠を仕込んでくるとは露にも思わなかったからだ。
「やるね。いい演出だったよ」
そう評価するレミリア。そこには自分が追い込ま
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