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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第18話 悪魔嬢レミリア:前編
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わ」
 それを見ていた咲夜は、主の奮闘に恍惚の表情で酔いしれた。
「……」
 対する依姫は難しい表情をしていた。
 ──レミリアの肉弾戦の力は相当なものである。それは月で彼女と戦った依姫が良く知る所なのだ。
 単純な肉弾戦なら依姫をも上回るかも知れない。この事実を考えれば勇美は相当分が悪いだろう。
 だが、だからこそ依姫は勇美には奮闘して欲しかったのだ。この勝負に勝てれば更なる一歩を踏み出せるし、負けてもその勝負の過程は無駄にはならないだろう。
 過程や方法などどうでもいいという言葉がどこかであったが、それは時と場合によるものだ。レミリア程の者との戦いにおいては過程だけでも勇美にとって確かな糧となるはずである。
 だが、やはり依姫は『勝って欲しい』と切望するのだった。勝ちから得られるものは多大なる影響をもたらすからだ。
 肉体能力では明らかに不利な勇美であるが、彼女には依姫が貸し与えた神の力がついているのだ。それが勇美にとっての勝利の鍵であった。
「あたた……参ったねえ」
 そう言いながら勇美はフラフラと覚束無い足取りで起き上がり始めた。
 それを見ながら、レミリアは感心したようにしていた。
「まだやれるようだね?」
「ええ、これしきの事ではへこたれませんよ」
「言ってくれるじゃないか」
 そんな軽口の叩き合いをしながらも、レミリアは心踊る気分となっていたのだ。
 先程まで消極的な態度であった勇美が、今ではすっかり火がついていたのだから。
「それじゃあ、次は私の番ですよ」
 そう言って勇美はレミリアに向き直り構えを取った。そして。
「咲夜さん、あなたの技を借りますよ!」
 勇美は思いがけない事を口にしたのだ。
「はいっ? 私ですか?」
 突然自分の名前を持ち出され、咲夜は意表を突かれてしまった。
「では行きますよ。『白虎』よ私に力を!」
 勇美は新たな神に呼び掛け、そして我が鋼の分身にその力を注ぎ始めたのだ。
「白虎は道の神です、そして道と言ったら……」
 勇美は白虎の力を受けて徐々に形成されていく我が分身を前にしながら、勿体ぶった態度を見せている。
「一体何が起こるのよ、咲夜の技を借りるって……?」
 その得体の知れない空気に、さすがのレミリアも警戒心を露にする。
 一頻り自分の分身が完成に近付いた事により、勇美はスペル宣言をした。
「【道符「整えし鉄の筒」】! とどのつまりは……」
 そこで勇美は一旦区切ると、遂に完成した彼女の分身の全貌が明らかになる。
 それは黄色の車体に、タイヤの代わりに二本の重厚な鉄の柱を備え付けた……。
「ロードローラーだっ!」
「……」
「……」
 高らかに言ってのける勇美に対して、レミリアも咲夜も絶句してしまった。
 そして咲夜は思った。幾ら自分がナ
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