第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第18話 悪魔嬢レミリア:前編
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りなさいって……」
「はい……」
そして勇美は決心する事にしたのだ。
(いつまでもグダグダしてても仕方ないよね)
「分かりました。始めましょう」
「その意気よ」
ようやく吹っ切れた勇美に、レミリアも満足気になる。
「でも、余り痛くしないで下さいね……」
「……」
勇美に上目遣いでうるうるした瞳で言われてレミリアは少しばかり心臓が高鳴るかのようであった。
別に言葉自体に変な意味はないのであるが、今の勇美のような態度で言われるとおかしな想像をしてしまうのだ。
永遠に幼き500歳の吸血鬼とて、『色』は知っているのだった。
閑話休題。曲りなりにもようやくやる気を出した勇美に、レミリアも心踊り行動を開始した。
そして右手をかざしスペル宣言をする。
「【紅符「スカーレットシュート」】!」
レミリアの手から紅い針のような槍のような物体が射出され、勇美目掛けて襲い掛かった。
「これは頑丈そうですね」
勇美はそう呟きながら思った。自分が得意として多用するプレアデスブレットでは、あれを弾き落とす程の力を出す事は出来ないだろうと。
(それなら……)
そして、思い付いた事を彼女は実行する。
「金山彦様、お願いします」
勇美は金属の神に呼び掛け、手をかざしスペルを宣言する。
「【鉄符「アイアンローリング」】!」
そう宣言すると勇美の手の先に鉄の粒子が集束していき、鉄で出来た球体が形成されたのだ。
「シュート!」
勇美はその掛け声と共に念じて鉄球を射出した。
そして鉄球は紅い針にどんどん肉薄していき、遂にはそれを弾き飛ばしたのだ。
それだけて終わりではなかった。鉄球は紅い針を退けた後は勢いが削がれるどころか更に加速していったのだ。
当然その進路の先には、レミリアがいた。そして鉄球は見事に彼女に衝突した。
「ぐぅっ……!」
攻撃をもろに受けてレミリアは呻いた後、仰け反ってしまった。
そして後ろに押されるが、すぐに踏みとどまったのはさすが吸血鬼といった所だろう。
「やるじゃないか」
バランスを安定させた所でレミリアは勇美に向き直り言った。
「その調子よ」
「えっ?」
レミリアに思いがけない言葉を投げ掛けられて勇美は驚いてしまった。
基本的に吸血鬼にとって人間は血を提供してくれる食料でしかないのだ。それはレミリアとて例外ではない。
そんな彼女が咲夜や霊夢や魔理沙以外の人間を認めるなど、予想出来ない事態なのであった。
「レミリアさん、何故私なんかにそのような言葉を?」
勇美はその疑問を解消出来る台詞を期待して当人に聞いた。
「うん、はっきり言って私にも分からん」
「はえっ?」
どこか漫画でよく聞くような理論を挙げられて勇美はすっ頓狂な声を出してしまった。
「そ
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