第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第18話 悪魔嬢レミリア:前編
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愛する勇美は求めていたのだった。
故に幻想郷の者達とは積極的に勝負していきたい。
だが、今の依姫の持ち掛ける話ともなると事は違ってくるのだ。
確かに以前、藤原妹紅という強敵に勇美は勝った事がある。
しかしそれは勇美が蓬莱人の事を知らなかったから、輝夜を殺させまいと意気込んだ事により実力以上の力が出せたのと、炎の扱いが主な攻撃方法となる彼女に対して自分は水を操る神の力を借りられたから優位に立てた事があるのだ。
なので……。
「依姫さんの言いたい事は分かりました。でも今の私には敷居が高いので遠慮させてもらいます」
勇美はこれで流れは自分に向いてきたと確信した。そして決定打となる言葉を続ける。
「それに、レミリアさんだって突然こんな話を振られて迷惑じゃありませんか?」
どうだ、これで私の退路は確保出来た。そう心の中で勇美はふんぞり返った。
「あら、私は構わないわよ」
だが現実は非情であった。勇美が今一番目を付けられたくない者から声を掛けられてしまったのだ。
「面白そうだし、私は賛成よ」
レミリアはニコニコ笑いながら勇美に話す。外見年齢に相応しく愛らしい笑顔であったが、勇美は戦慄していた。
「それに、咲夜の弔い合戦にあなたをやっつけてあげたいしね」
可愛らしい笑顔を一変させ、レミリアはさすが悪魔とも言うべき魔性の笑みを浮かべながら言った。
「お嬢様、私は生きてますけど」
「咲夜、ここは空気読んで、お願い」
従者の天然発言に、レミリアは自分の演出を台無しにされて唸った。
「まあ、気を取り直して……と」
そう言ってレミリアは再度勇美に向き直る。
「ちなみに、これはあなたの師匠に持ち掛けられた事でもあるのよ」
「あー、何か嫌な予感がしてきた」
レミリアの発言に、勇美は話の先が段々と見えてきた。
「依姫さん、念のために聞きます」
「ええ、以前勇美がいない時にあの子に会ってね、その時勇美と戦ってあげてねとお願いしたわね」
「く……そ……、はかったな依姫さ〜ん!!」
幸い勇美の体は崩れる事はなかったが、心が崩れそうであった。ちなみにDS版は精神崩壊による暴走になっているが、この際どうでも良かった。
「これであなたの退路は断たれたわよ、観念しなさい」
レミリアは目にこびりつかんばかりの、ねっとりとした笑顔で勇美に差し迫る。
「うう〜……」
もはや勇美に抵抗する手立ては残っていなかったのだった。
◇ ◇ ◇
そしてレミリアと勇美は咲夜と依姫の時と同じように庭の中心部で向かい合っていた。
「やっぱり止めません? 夜ですし」
「いや、寧ろ私は夜の王だから、おあつらえ向きよ」
「あ、やっちゃった……」
今のは墓穴掘っちゃったなあ、勇美は盛大に後悔した。
「いい加減腹を括
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