第4話 狂気の斬滅メイドとスペルカード?
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「死んでフランお嬢様に非礼を詫びろ!!」
白刃が煌めく………イッセーの首と胴体を真っ二つに斬り離す為に………
「イッセー!!」
とっさに私はイッセーを右手で抱きしめてその向かってくる刃を左手の爪で受け止め、激しい火花を飛び散らせながらもその白刃を逸らす事に成功した。
そして受け止め切ったのを確認した私はほぼ反射的に両足で地面を蹴る事でイッセーを抱えたまま飛び上がるようにして後ろに一回転しながら立ち上がる。
「くっ、"三成(みつなり)"!!」
私は刀を鞘に納め、再び抜刀の構えをとるメイドの名前を呼ぶが………
「………」
三成はあの黒耀石のように綺麗な漆黒の瞳をどす黒く濁った深紅に染めたままイッセーのみを見つめ続けている。
どうやらイッセーを標的にした状態で"彼女の能力"が発動している為にイッセーしか彼女の視界には映っていないらしい。
「"恐惶"かぁ………"家康"がいればそっちに狙いがいくんだけど………」
私は制服の右ポケットに手を入れて………
「あれ?たしかここに入れてたはずなんだけど………」
ポケットの中に目的の物が無い事に気が付いた私は反対側のポケットにも手を入れる………しかし、見つからないので今度は胸元のボタンを開いて手を入れた。
「ちょっ!?ブフッ!!」
後ろでイッセーのそんな声が聞こえてきたので目的の"アレ"を探しながら振り返ると鼻からの出血を抑えるイッセーの姿が見える。
しかもその視線は私の胸元から離れていない。
だけど………それは私も一緒だ。
「ハァハァハァ………ゴクリッ」
イッセーの鼻から流れる赤い血が私に凄まじいまでの喉の渇きをもたらしてくるのだ。
そんな事をする余裕なんて無いはずなのに渇きが収まらない。
まるでイッセーの血が特別であるかのように………
「フ、フラン?」
「ッ!?」
イッセーの不安げなその言葉に正気に戻った私は慌てて前を見ると………三成の姿は無く私のすぐ目の前まで来ており、その手は刀の柄に掛かっているのが見えた。
「フランッ!!」
「きゃぁ!?」
それは一瞬の出来事だった。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
真紅の液体と誰かの腕が宙に舞う。
そして連鎖的にその腕の持ち主であろう苦痛の叫び声が部屋に響き渡った。
「そんな………イッセー!!」
私を庇う為に前に出て肘の部分から斬り落とされてしまった左腕を押さえるようにして倒れ込み、苦痛に顔を歪ませるイッセーを見た私は胸元にある固い物体をようやく掴み取ることに成功し………その原因となったメイドを睨み叫びながら服が破れるのも構わず、その物体を人差し指と中指で挟んだ状態で取り出す。
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