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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第31話:三つ巴の争奪戦・その3
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 突如頭上から響いた爆発音に颯人と奏が上を見上げると、そこには弦十郎が乗っている筈のヘリが爆発している光景を見る事になった。その光景に、堪らず奏が悲鳴のような声を上げる。

「だ、旦那ッ!?」
「ん? 奏、よく見ろ! おっちゃんはパイロットと一緒に脱出してる!」

 爆発したヘリに目が行きがちだった為奏は気付かなかったが、爆発したヘリの下の方に目を向ければ確かにそこには自由落下状態の弦十郎と彼に座席毎抱えられた裕司の姿を確認できた。

 見た所弦十郎はパラシュートを着けているようには見えない。まぁ仮に着けていたとしても、座席と裕司を抱えた状態ではあまり意味は無かったかもしれないが。

「奏、おっちゃんの方に行ってやんな」
「ッ!? 良いのか?」
「良いも悪いもあるかよ。あの高さじゃ流石に不味いだろ?」

 或いは、弦十郎だけであればもしかしたらと言う事もあるかもしれない。何だかんだで生き残る様子が容易に想像できる。
 だが、裕司の方は話が別だ。弦十郎が裕司を見捨てると言うようなことは無いだろうが、それでも着地の衝撃でどうにかなったり、それ以前に2人揃ってノイズに襲われては一溜まりもない。

 響には了子とケースを任せた手前、余裕が出来そうなのは颯人か奏のどちらかだ。
 そして、颯人にはメデューサとの戦闘の経験がある。

 となれば、選択肢は一つしかなかった。

〈ユニコーン、プリーズ。ガルーダ、プリーズ。クラーケン、プリーズ〉
「こいつらも行かせるから、あっちは任せるぜ」
「…………分かった、悪い!」

 再度召喚した使い魔三体を連れて、弦十郎の元へ向かう奏。

 行かせてなるものかとメデューサが妨害しようとするが、颯人がそれを許さない。奏を妨害しようと動いたメデューサの前に立ち塞がり、その行く手を遮った。

「おぉっと! そう急ぐなよ、もうちょっと付き合っていけって。ショーの盛り上がりはこれからだぜ?」
「ふん、子供騙しにも劣るショーなんぞ見る価値もない」
「試してみるか?」

 メデューサへの言葉が終わった直後、ソードモードのウィザーソードガンを構えた颯人が飛び掛かった。




***




 一方、響は了子と共にケースを抱えて戦場を離れつつあった。一先ず目指すは当初の予定通り、この先にある薬品工場。そこへ行けば少なくとも響達への攻勢は弱まる筈であった。

 ところが――――

「はぁ……はぁ……了子さん、大丈夫ですか?」
「えぇ、私は大丈夫よ。それより周りに、ッ!?」

 薬品工場に逃げ込もうとする彼女達の前に、2人のメイジが立ち塞がる。どうやらノイズと戦っていたところに、2人が近付き過ぎてしまったらしい。
 知る由が無かったとは言え、痛恨のミスで
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